【セラー出品】2021年7月マケプレプライム設定は土日も出荷必須に。アマゾン側の真意と今後。

本記事で得られる知識

アマゾンにセラーとして出品する方向けに、マケプレプライム設定商品の土日出荷必須の内容と、アマゾン側の意図について解説します。

記事の前提

アマゾンに出品中のセラー、もしくはこれから出品を考えている方向けです。

マケプレプライムはある程度の顧客満足度指数を満たしたセラー限定の機能ですが、そうでない出品者にも戦略上必要な知識です。

記事の信頼性

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マケプレ土日出荷必須とは

アマゾンがマーケットプレイス出品者に課している顧客満足度指数を高く維持することで、出品者出荷でも「プライム」として販売することが可能なマケプレプライム制度。

プライムは14時以降の注文は翌日出荷、14時までの注文は当日出荷が原則ですが、土日を休みとする出品者に対しては、プライムにも関わらず最大2日の猶予が与えられていました。

今回はそれを撤廃するというものです。

金土日マケプレ注文時の表記が全て翌日に(休みの日数は考慮されない)

今までは土日休業設定をしていれば、プライムも含めて金土日の注文に限って月曜日表記になっていました(つまり金曜日14時以降から翌月曜日14時まではまとめて月曜日に出荷すればよかった)が、2021年7月以降は平日・週末関係なく、マケプレプライムとして受けた注文は「前日14時以降当日14時まで注文はその日に出荷」になります。

土日休みの優遇撤廃です。

プライムの注文に限っての話になりますが、以下のように変更になります。土日休業だった場合と比較です。

切り替わる2021年7月15日の二週間で比較してみます。締めはデフォルトの14時とします。

7月15日より過去1週間のプライム注文での出荷期限は以下のとおりです。

土日出荷必須適用前

 

受注期間 出荷期限 お届け日期限
2021年7月6日(火)14時~2021年7月7日(水)14時のプライム注文 2021年7月7日(水)に出荷必須 2021年7月8日(木)にお届け必須
2021年7月7日(水)14時~2021年7月8日(木)14時のプライム注文 2021年7月8日(木)に出荷必須 2021年7月9日(金)にお届け必須
2021年7月8日(木)14時~2021年7月9日(金)14時のプライム注文 2021年7月9日(金)に出荷必須 2021年7月10日(土)にお届け必須
2021年7月9日(金)14時~2021年7月10日(土)14時のプライム注文 2021年7月12日(月)に出荷必須 2021年7月13日(火)にお届け必須
2021年7月10日(土)14時~2021年7月11日(日)14時のプライム注文
2021年7月11日(日)14時~2021年7月12日(月)14時のプライム注文
2021年7月12日(月)14時~2021年7月13日(火)14時のプライム注文 2021年7月13日(火)に出荷必須 2021年7月14日(月)にお届け必須

土日出荷必須適用後

受注期間 出荷期限 お届け日期限
2021年7月13日(火)14時~2021年7月14日(水)14時のプライム注文 2021年7月14日(水)に出荷必須 2021年7月15日(木)にお届け必須
2021年7月14日(水)14時~2021年7月15日(木)14時のプライム注文 2021年7月15日(木)に出荷必須 2021年7月16日(金)にお届け必須
2021年7月15日(木)14時~2021年7月16日(金)14時のプライム注文 2021年7月16日(金)に出荷必須 2021年7月17日(土)にお届け必須
2021年7月16日(金)14時~2021年7月17日(土)14時のプライム注文 2021年7月17日(土)に出荷必須 2021年7月18日(日)にお届け必須
2021年7月17日(土)14時~2021年7月18日(日)14時のプライム注文 2021年7月18日(日)に出荷必須 2021年7月19日(月)にお届け必須
2021年7月18日(日)14時~2021年7月19日(月)14時のプライム注文 2021年7月19日(月)に出荷必須 2021年7月20日(火)にお届け必須
2021年7月19日(月)14時~2021年7月20日(火)14時のプライム注文 2021年7月20日(火)に出荷必須 2021年7月21日(月)にお届け必須

赤色の部分が大きく違っているところで、曜日に関係なく当日発送がプライムなので、きちんと出荷しましょうという形に切り替わることになります。

休日であれば、翌日出荷が基本のプライムであっても、月曜日まで納期が伸びていましたが、それがなくなりますので、休む場合は翌日出荷のプライム販売をやめてくださいということになります。

祝日は考慮される

2021年1月時点では、祝日については、今まで通りで祝日に出荷必須ではないそうです。

例えば、2021年7月の祝日は7月22日と7月23日ですが、その週のアマゾンページ内とセラーセントラル内の出荷期限日は以下のようになります。

受注期間 出荷期限 お届け日期限
2021年7月20日(火)14時~2021年7月21日(水)14時のプライム注文 2021年7月21日(水)に出荷必須 2021年7月22日(木)にお届け必須
2021年7月21日(水)14時~2021年7月22日(木)14時のプライム注文 2021年7月24日(土)に出荷必須 2021年7月25日(日)にお届け必須
2021年7月22日(木)14時~2021年7月23日(金)14時のプライム注文 2021年7月24日(土)に出荷必須 2021年7月25日(日)にお届け必須
2021年7月23日(金)14時~2021年7月24日(土)14時のプライム注文 2021年7月24日(土)に出荷必須 2021年7月25日(日)にお届け必須
2021年7月24日(土)14時~2021年7月25日(日)14時のプライム注文 2021年7月25日(日)に出荷必須 2021年7月26日(月)にお届け必須
2021年7月25日(日)14時~2021年7月26日(月)14時のプライム注文 2021年7月26日(月)に出荷必須 2021年7月27日(火)にお届け必須
2021年7月26日(月)14時~2021年7月27日(火)14時のプライム注文 2021年7月27日(火)に出荷必須 2021年7月28日(月)にお届け必須

祝日だけは今までどおりになります。

土日休業の出品者への優遇処置とみるべき

そもそも土日休業の出品者にとってはかなり痛いですが、アマゾンの倉庫から直接発送される商品は、土日祝日と関係がありません。

また、平日休業の出品者もいます。

ユーザー視点から考えると、土日も配送してほしいと思う方は多いのも事実です。

見方を変えれば、プライムが土日は考慮される設定は、「土日休業の出品者だけのメリット」であり一種の優遇処置だったと捉えることができます。

したがって地球一お客様のことを考えることを是とした(=出品者にはえげつないほど冷酷で厳しい)社是である以上は、避けられない状況であると言えます。

オリジナル商品販売以外の出品者にとって、土日出荷は避けられない

オリジナル商品を販売していれば、アマゾン最大の課題である競合品の中でカートボックス獲得率を維持するという概念がないので、商品の訴求が正しくできていればあまり影響がないかもしれません。

しかし、あいのり出品を基本としている出品者にとっては、いわゆるシフト制にした上での祝日以外の出荷体制は、売上維持のためには避けられません。

土日休業を維持する場合

売上を維持するという視点においては、土日休業を維持するメリットは全くなくなります。

土日休業を選択すると、確実に土日分の売上は減るということは避けられませんので、あくまでマケプレ指標の回避策の意味が強くなります。

金曜日14時直前に入荷予定日を月曜日に設定する方法をとった場合

在庫の更新はそのままにした上で、全在庫ありの商品について月曜日の日にちを「入荷予定日」に入れることがゴリ押しで一番売上減を最小限に抑えられます。

プライム設定でも入荷予定日が月曜日なので、出荷予定日が調整できることになります。

しかし、プライム設定で納期が伸びるため、カートボックス獲得力は弱まることになりますので、土日出荷をしている他の出品者にカートを明け渡すことになり、売上が下がることは避けられません。

また、月曜日以降の入荷予定日を設定したアイテムまで、逆に月曜日入荷予定としてしまう単純ミスも起きやすくなるので、リードタイムや予約販売を行っている出品者の場合は特に注意が必要です。

プライムを外して通常出荷とした場合

在庫あり商品のプライム設定を外す場合は、リードタイムを1か2にしたままだと、出荷遅延により通常の顧客満足度指数が悪くなりますので、最悪アカウント停止になる危険性があります。

つまり、プライムを外せばいいという安易な考えが通用しないことになります。

在庫を0にする

これは維持でもやらない場合の最終手段ですが、在庫あり商品を0にする方法です。これをすれば顧客満足度指数は維持することはできますが、肝心の売上が0になります。

また、土日休むということは、金曜日13時頃には在庫を完全に0にしておかないといけないため、システム化するなら問題ないですが、出品レポート関連で一括アップロードをする場合は、ヒューマンエラーを十分に気をつける必要があります。

平日休業に変更する

平日休業に切り替えても、平日の休み時の設定は、土日休業を強行する場合と同じです。

ただ、週末は平日よりもアクセス数が伸びるので、平日よりも注文が入りやすいので、週末休業よりは平日休業の方が、売上が高くなる可能性があります。

シフト制に移行する

結局のところ、アマゾンでプライム注文を発送するにあたっては、シフト制に移行して、基本的に毎日発送する体制にするほかありません。

仮に、どこかの平日で休業するにしても一切発送しない日があると、その日に出荷している出品者が確実にカートをとることになり、とられた出品者の休み中の注文は今までに比べると比較にならないくらい激減するでしょう。

土日も同じく、土日休みを強行しても、今回の土日出荷を好機と捉えて切り替えた出品者がカートを獲得しますから、今までのように均等に注文が入らなくなり、土日の注文自体がそもそも激減することになります。

アマゾンが隠している絶対の勝機

公正取引委員会が入る可能性、独占禁止法違反になる可能性は非常に低い

以前、アマゾンでは出品者に対して、アマゾンポイントを最低1%設定することを義務付けると発表しましたが、途中で延期したことがあります。

これはアマゾンポイントがアマゾン内でしか使用する方法がないため、実質的には出品者に手数料を1%課すという、プラットフォーマーによる強行という見方が出て、公正取引委員会が介入する危険性があったためです。

今回は、そもそも「土日休業の出品者」だけがこのメリット享受していて、ユーザーのメリットは全くなかった部分であること、またそもそも今現在でも土日出荷をしているアマゾン直販や出品者が存在していることから、不公平ではないことは明白です。

おそらくアマゾン側の言い分としては、むしろ土日休業の出品者に2日間猶予あるプライムを追加していたこと自体が不公平だったと主張するかもしれません。

万が一法律に負けても楽天の送料無料ハードル設定と同じくアマゾン勝ちになる

楽天が送料無料ハードルを設けた際に、公正取引委員会が一度調査に入り、結果的に強制力がない形で送料無料ハードルは任意という形で決着がついたことがありました。

法律上も基本的には導入していたら、法定で争われる危険性がありましたが、結局とりやめて「任意」で設定する形になりましたが、この話題自体が全国に広まって、逆にアクセス数が急増したこと、また送料無料ハードルを「採用している店舗」の方が無料ライン程度の注文が一番得ということで、楽天の勝利であり導入しなかった店舗の売上は下がることになります。

アマゾンがもし出品者に訴えられたとして、または公正取引委員会が調査に入ったとして、これによりアマゾンが「義務化」をなくして「任意」にしたとしても、この土日プライム発送はメディアで話題になることは必須なので、それだけでアクセスが増え、任意でも土日配送を可能にした出品者の注文は増えることに繋がります。

アマゾン直販も注文は増えることになりますので、結局この選択を強行することでアマゾンが一人勝ちすることになります。

コロナショックで激増した2020年の売上を本気で越えようとしている

2020年のアマゾンは、コロナの影響があり、アマゾンの小田原倉庫内で感染者が出たり、アメリカ米国本社が各倉庫に課した世界一厳しいコロナ対策を倉庫に施すなど、一時的にアマゾン直販の倉庫出荷が生活必需品以外ストップしたことがありましたが、それでも逆に出品者出荷が激増したことで、過去最高の売上になりました。

いわゆるコロナ特需です。

異常事態の売上急増だったので、今年は別に超えなくてもいいだろう・・・・・とならないのが、世界一のネット通販企業アマゾンです。

アマゾンは今年は、去年の売上を本気で越えようとしています。

セラー部門については、まさしくこの土日出荷は大きな策で、これをすれば土日に急いでいるユーザーの翌日配送を可能にする出品者が急増するので、アクセスも増えるし購買も増えるし顧客満足度も増えます。

逆に、リテール部門では、問屋を潰しにかかるような、競争原理を基本とした仕入れの急激な変更を行ったりと、まさに仕入先・セラー泣かせが加速している状況です。

去年よりも不安要素がない状況で売上を本気で越えようとしている点で、まだこのプライムの土日出荷はもしかした序章にすぎないのかもしれません。