ネットショップ開業 代金引換に対する考え方と準備の仕方

本記事で得られる知識

ネットショップ開業をするに当たって、ECサイト構築にあたり支払い方法の1つである「代金引換」について、その取り扱いの注意の仕方や、契約の仕方について解説します。

記事の前提

ネットショップを開業したいだけでなく、ドメイン取得について知りたい方向けです。

記事の信頼性

筆者はネットショップ運営に精通しています。詳しくはこちら「運営者の紹介

代金引換は慎重に設定するべき

2018年1月にマイボイスコム(株)が発表した「オンラインショッピングの決済」に関するインターネット調査によると、およそ10%の方が代金引換を利用しているという等結果があります。

10人に1人が代金引換を利用している現状を鑑みると、購入者の決済の選択手段を増やすのは、購入意欲を高める一つの手段と見ることができます。

しかし、かなり慎重に決済手段として使うかどうか検討する必要があり、特にお店の開業当初やそもそも決済手段から除外することも選択肢の1つです。

唯一出荷後に代金回収する手段

代金引換は他の決済方法とは違って、運送会社のドライバーが商品をお届け先にお渡しする際に、代金徴収するサービスです。

クレジットカードや銀行振込の場合は、既に代金を徴収しているため、もし商品の発送後お届け前の段階で、お客様からキャンセル依頼が来たり、受取拒否をされたりした場合は、当店規約などで予めその場合にはお客様に往復分の送料だけは負担して頂いて、残金のみ返金という規約を定めるなどしていれば、最低でも商品を出荷した際の往復分の運賃だけは回収できることになります。

昨今はPaidyなどの後払いサービスも増えていますが、この場合は発送した段階で代金はその後払い代行会社から受取る形になり請求は実質的には発送した段階で終わっています。その後は購入者と後払い業者とのやり取りになるため、後払いサービス利用時は発送した段階でこちらでは請求が確定していることになります。

しかし、代金引換だけは、完全にお届け時に請求となるため、仮にキャンセル依頼が来た場合や受取拒否された場合、受け取る際に初めて代金を徴収するので、往復分の送料は完全に店側負担になります。

直接購入者に請求の督促などを送るといった形は、SNSなどを通じての拡散の危険性も含め、購入者に対して強硬な態度はとれないので、泣き寝入りするしかありません。

賞味期限の近い食品・冷蔵品・冷凍品にはそもそも向かない

このような性質から、賞味期限がそもそも短い食品や、冷蔵品・冷凍品などは、受取拒否されてお店に戻ってきても、ほとんどのケースで廃棄せざるを得ず、商材の種類によっては代金引換自体が向かないことが理解できると思います。

それでも購入者の決済手段を増やしたい場合は、初回購入者については注文後に一度電話で本人確認の電話を入れるなりしてから発送し、次回からはリピーターということで通常どおり代金引換で発送するのも一つの方法です。

いたずら注文に利用される可能性がある

参考 : アマゾンの代金引換を使った大規模ないたずら注文のトラブル内容と対策【ECサイト運営】

代金引換はある程度規模大きくなってから可能にすることをおすすめします。

というのも、他の決済方法と違って、アカウントを乗っ取られても決済手段として代引きを使われると、注文履歴以外で確認することなく、注文を送りつけることができてしまいます。

その他にも、商品を発送した後に結局いらないとなって、運送会社からの荷物の引取を拒否されると、往復の送料は荷主である店側が負担することになります。

仮に、運送会社と割引の契約をしていても、戻ってくる際の送料は荷主基準となるため、送料も割引対象となります。

更に悪質な例として、上記のリンクでも解説していますが、アマゾンの店舗側の間違った返金処理の仕方によって、受取拒否などで代金を支払っていないにも関わらず、アマゾンから悪意の注文者に注文代金が返金されるということも稀にあります。

そこそこのリスクがあるため、ある程度規模が大きくなってから、決済手段の一つに加えましょう。

代金引換の設定方法

それでも、代金引換の手段を増やす場合には、各運送会社ごとの契約をする必要があります。契約の仕方は以下のとおりです。

大和運輸

大和運輸で代金引換を利用するためには、専用の契約と審査が必要になります。

代引き手数料(税込)は以下のとおりです。

9,999円以下 330円
29,999円以下 440円
99,999円以下 660円
300,000円以下 1,100円

https://www.yamatofinancial.jp/service/flow/daibiki.html

佐川急便

佐川急便の代金引換は「e-コレクト(イーコレクト)」と言います。

こちらも別途契約と審査が必要になります。

代金引換手数料は以下のとおりです(2020年10月末現在)

代引金額 代引手数料(税込)
1万円以下 330円
3万円以下 440円
10万円以下 660円
30万円以下 1,100円
50万円以下 2,200円
60万円以下 6,600円
60万円超は10万円増す毎に 1,100円を加算(代引手数料例参照)

その他にも収入印紙が必要になる金額の場合は収入印紙代がかかり、佐川急便が徴収した金額を送金する際にも金額ごとに手数料がかかりますので、以下のリンクを確認してください。

http://www.e-collect.jp/business/introduction/

日本郵便

日本郵便の代金引換の場合、契約がなくても発送することが可能です。

代金引換手数料は、金額に関係なく一律265円です。ただし、日本郵便で代替えで受け取ったお金を送金する際に別途手数料がかかります。

https://www.post.japanpost.jp/service/fuka_service/daibiki/index.html