ネットショップ開業 キャッシュフローの流れ【必ず把握しないといけない内容】

本記事で得られる知識

ネットショップ開業を考えている方向けに、運営をするに当たって必要なキャッシュフローの重要性について解説します。

記事の前提

資金はないし、お金を借りてまでやりたくないけど、ネットショップ運営に興味がある方全員に向けての記事です。

記事の信頼性

筆者はネットショップ運営に精通しています。詳しくはこちら「運営者の紹介

現預金の入出金のタイミングは必ず把握する必要がる

事業を運営するにあたって「現金・預金」の入金のタイミングと出金のタイミングの把握は、必ず頭に叩き込んどおかないと行けない重要な内容です。

企業が作成する財務諸表でいう「キャッシュフロー計算書」がまさにこの概念で使われているもので、売上があがっているのに、黒字倒産するのもこのキャッシュフローで現預金が足りないが故に起きる事例になります。

ここではそこまで資金がない状態でネットショップを始める前提で解説します。

ネットショップでは出金と回収のタイミングが大きくずれる

ネットショップは実店舗と同じく物販です。

基本的なお金のサイクルは、先に商品を仕入れるためにお金を支払い、商品が売れることでその投じた仕入額を回収する流れとなります。

「お金を払ってから、売れることで後で回収する」という、一般的なネットショップのビジネスモデルになります。

お金を支払うのは資金が許す限りいつでもできますが、投じた資金の回収はというとまず商品が売れなければいけません

そして売れた時も「商品が売れる」時点で回収できるわけではなく、回収まで更に時間を要することになります。

ケース1 : 繁忙期前に仕入ができない

ネットショップを運営するにあたって繁忙期は売上を上げるための重要な時期になります。

しかし、繁忙期を見越して仕入れするタイミングで現金が不足していると、仕入れることができませんから繁忙期を狙った一括仕入れができなくなり、貴重な稼ぐ時期を逃すことに繋がります。

ケース2 : クレジットカードの支払いの引き落としに間に合わない

資金がない時にお金を投じる手段としてクレジットカードがよく使われますが、こちらも引き落とし日に現金が枯渇していると、支払いが滞ることになります。

クレジットカードをうまく使って仕入していても、信用情報に影響がでますので、そもそも使えるキャパが減ってしまう可能性があります。

入金サイクルの把握の重要性

商品が売れた後の売上の入金のタイミングは以下の3つの点で流れを把握しておく必要があります。

受注はあくまで注文を受け付けただけ(=確定していない)

購入者が支払方法として、コンビニ払い、後払いを選択した場合は、利用している自社系ECサービス・モール系ECサービス側で一度預かる形になります。

どの支払方法を選択されても、この時点では売上が確定していません。

クレジットカード、コンビニ払い、後払い決済

利用しているECサービスが提供している決済方法は、クレジットカード、コンビニ払い、Paypay払い、後払い決済などがあります。

クレジットカード決済の場合、注文を受けた段階では購入者が設定したクレジットカードの「支払可能限度額の枠の確保」を行います。

この時点では「枠だけの確保」なので、金額は確定しません。

それ以外の支払方法についても、利用しているサービス側で一度預かる形となります。

銀行振込

銀行振込の場合で直接設定した振込先に入金された場合は、これはあくまで入金されただけと捉える必要があります。

代金引換

代金引換は運送会社を利用した後払いなので、発送をして受け取った時点で回収になります。

売上の請求作業が必要(=ここで確定)

プールされている商品代金が確定するタイミングは、商品の発送が終えた段階とするのが一般的です。

出荷が完了したら使っている自社EC系・モールEC系の管理画面上で売上の請求作業を行います。

アマゾンのように出荷通知というボタンを押した段階で確定する場合もあれば、楽天・ヤフーのように出荷の連絡と売上の請求作業が分離している場合もありますので、利用しているサービスによります。

売上の請求をしないと売上が確定しないので、必ず行う業務・作業ですので、利用しているサービスごとにこの確定方法を確認する必要があります。

しかし、このタイミングでも入金されるわけではありません。

代金引換

代金引換は運送会社を通じての回収なので、利用しているECサービスからではなく、契約をしている運送会社のルールに基づいて、月末などで締められて売上が確定します。

入金サイクルルールに応じて入金(=ここで回収)

銀行振込

銀行振込の場合は既に入金されてるので、それで確定となります。

代金引換

代金引換の場合は、運送会社が代金を預かっているので、こちらで支払った送り状代金との相殺された額が、運送会社の入金サイクルにより入金されます。

大和運輸 : https://www.yamatofinancial.jp/service/payment/daibiki.html (最短5日と記載)

佐川急便 : https://www.sagawa-exp.co.jp/service/e-collect/(振込周期)

日本郵便 : https://www.post.japanpost.jp/service/fuka_service/daibiki/matome.html

それ以外

それ以外の決済方法については、ネットショップでの入金のタイミングというのは、商品が売れた時ではなく、「商品が売れて発送して、売上請求をした時点から起算して、利用している自社EC系・モール系の入金サイクルの支払われる」時点で回収となります。

ここで初めて回収することになります。

各サービスごとに入金サイクルの確定方法が異なりますが、会計に関する重要な内容なので、利用するサービスすべてのサイクルを把握する必要があります。

BASE : https://baseu.jp/2919

STORES : よくある質問 : 入金サイクル

Shopify : https://help.shopify.com/ja/manual/payments/getting-paid

楽天 : https://www.rakuten.co.jp/ec/plan/cost_detail/ (楽天ペイ決済金の精算サイクル)

ヤフー : https://test-store-info.yahoo.co.jp/orderdata/g/157.html

Amazon : よくある質問 : 振込

入金サイクルを理解した上で現預金を使うこと

入金のサイクルはサービスごとに全くことなっていますので、それぞれのサービスにおいて、いくらがいつ支払われるのかを正確に理解した上で、出費するようにしましょう。

特に開業当初では可能な限り少ない資金をコントロールしたいものです。

ドロップシッピングのように出費のタイミングと合わせてコントロールしたり、ヤフーショッピングのように時期に応じて入金サイクルをコントロールしたりしながら、うまく資金が回る体制へ移行していくことが重要になります。

これは自分自身でコントロールしなければいけない内容となりますので、必ず把握するようにしましょう。