ネットショップ開業 配送会社の冷蔵・冷凍便と抑えるべきポイントを解説(個人事業主・零細企業向け)

本記事で得られる知識

配送会社の運送サービスについての解説です。0からネットショップを開業するにあたって、どのような運送サービスがあり、どのような特徴があるのかについて、実際の経験を含めて解説します。

記事の前提

個人事業主・零細企業が0ベースでネットショップを開業することを想定しています。

ここに記載されたデータは、2020年10月20日時点です。

記事の信頼性

筆者はネットショップ運営に精通しています。詳しくはこちら「運営者の紹介

冷凍便・冷蔵便の特徴

通常便よりも金額が高い = 商品単価を高くする努力が必要

冷蔵・冷凍品の発送の場合、各運送会社共通で、基本運賃に対して冷蔵用・冷凍用の追加料金をもって発送してもらう形になります。

したがって、送料自体がそもそも高いイメージがあるため、商品を販売する際には、ある程度金額の高くなるようセット組みをしてギフト扱いにするなどして、販売単価を上げる形で相対的に運賃比率を下げるのがポイントです。

予冷が必要 = 渡してから冷やすのではなく冷えたものを渡す

運送会社に引き渡してから冷やしてもらうのではなく、あくまで「冷蔵されたもの」「冷凍されたもの」を渡す必要があります。

大きな理由としては、常温品を冷蔵庫・冷凍庫に入れる際に熱を一緒に入れ込むことになるため、冷蔵庫・冷凍庫内の温度を一時的でも上げてしまうことになり、他の荷物に悪影響を与えるためです。

日本郵便 – チルドゆうパック

通常のゆうパックの基本料金をベースに、冷蔵用の追加料金で出荷可能です。

冷蔵のみで、冷凍は非対応です。

通常のゆうパックの料金体系 : https://www.post.japanpost.jp/service/you_pack/charge/ichiran.html

チルドゆうパックの料金体系 : https://www.post.japanpost.jp/service/you_pack/chilled/index.html

特徴
  • 重量は「25kg以内」なので、基本はサイズ基準(3辺60cm~150cm以内)で運賃決定
  • 冷蔵に対応(0℃〜5℃)、冷凍非対応
  • 予冷が必要(時間や温度的な目安は記述なし)
  • 対面でのお届け
  • 追跡可能
  • 離島、沖縄発送可能
  • 集荷可能、一部コンビニからの出荷可能(24時間引き渡し可能)
  • 日時指定可能
  • 割引あり(持込時)
  • 代金引換可能、着払可能
  • 不在時、不在日含めて7日保存
  • PC(インストールタイプ) or 手書きで送り状発行

特徴としては重さは25kg以内の規定だけで、サイズは縦・横・奥行きの3サイズ合計で170cm以内のものを出荷してくれます。

ネットショップ開業 配送会社のサービスと抑えるべきポイントを解説(個人事業主・零細企業向け)

常温タイプのこちらでも解説しましたが、重量規定が1つしかないので、3辺サイズだけで運賃が決まることになります。

小型でも重い冷蔵品は割安であることから、冷蔵タイプの農産物や加工品に向いていると言えます。

大和運輸 – クール宅急便

基本運賃にのる形での料金体系ですが、下記のリンクから運賃を把握することができます。

クール便の運賃表 : https://www.kuronekoyamato.co.jp/ytc/customer/send/services/cool/

冷蔵・冷凍共に予冷が必要で、目安ですが、冷蔵品の場合は出荷前の時点で6時間以上10℃以下で冷やす必要があり、冷凍品の場合は12時間以上-15℃以下で冷やしておく必要があります。

温度帯の関係上、アイスクリームだけは、ドライアイスなどを使用して3サイズ60cm以内2kg以内に納める場合に限って送ることができます。

特徴
  • 3辺サイズと重さを比較して、高い方の運賃で決定(通常の宅急便と計算方法は同じ)
  • 冷蔵・冷凍共に対応(冷蔵温度帯は0℃〜10℃、冷凍温度帯は-15℃)
  • 冷蔵の予冷時間は10℃以下で6時間以上目安
  • 冷凍の予冷時間は-15℃以下で12時間以上が目安
  • 対面でお届け
  • 日時指定可能(お届け予定日は3日後までに限定)
  • 冷凍温度以下での発送が必要な商品はドライアイスなどでの冷凍を条件に受付可能(アイスクリームなど)
  • 追跡可能
  • 一部離島は出荷不可(沖縄可)
  • 集荷可能
  • 割引あり(スマホ発行時、持込時、クロネコメンバー割、営業所受取時、キャッシュレス決済時)
  • 代金引換可能、着払可能
  • 不在時、不在日含めて3日保管
  • スマホ(アプリ) or PC(ブラウザー上) or 手書きで送り状発行

佐川急便 – 飛脚クール便

冷蔵・冷凍共に取り扱い可能で、大和運輸と比較すると温度帯が低いのが特徴です。

温度が低い分取り扱いできる商品の種類が多いイメージがありますが、下記に示した商品は発送することができません。

冷凍温度帯は-18℃ですがアイスクリームは取り扱い不可です。

常温便と同じく、

料金体系 : https://www.sagawa-exp.co.jp/service/h-cool/

適する商品
  • 3辺サイズと重さを比較して、高い方の運賃で決定(通常の宅急便と計算方法は同じ)
  • 冷蔵・冷凍共に対応(冷蔵温度帯は2℃〜10℃、冷凍温度帯は-18℃以下)
  • 冷蔵の予冷時間は8℃以下で6時間以上目安
  • 冷凍の予冷時間は-18℃以下で12時間以上が目安
  • 対面でのお届け
  • まぐろ、かつお、たこ、すり身、塩魚、ブロイラー、アイスクリーム、バターの取扱不可
  • 追跡可能
  • 離島、沖縄は別途見積もり
  • 集荷可能
  • 割引あり(持込時)
  • 代金引換可能、着払可能
  • 不在時は、不在日含めて4日保存
  • PC(インストールタイプ) or 手書きで送り状発行

特徴のまとめ

値段や取り扱い可能な温度帯と合わせて、最寄りの営業所としてどこが一番近いかも重要になってきます。

重い冷蔵商品は日本郵便がお得

重量物は、3サイズの基準で運賃が変わる断然日本郵便のチルドゆうパックがお得です。

通常のゆうパックと同じ「ゆうプリR」というツールをインストールして送り状を発行することになり、

冷凍のみ、または常温・冷蔵・冷凍全て取り扱いの場合は大和運輸

大和運輸の冷凍温度帯は佐川急便よりは高いものの、ドライアイスを使用することで、温度帯よりも低い商品を対応している点で、冷凍商品のみを取り扱う場合や、常温・冷蔵・冷凍全ての種類の商品を取り使うのであれば断然大和運輸となります。

全てB2クラウドで印字可能なためです。

遠隔地への発送、重量物系の発送、代替え手段として佐川有効

遠隔地への発送や大型商品については、佐川急便の運賃が割安になることが多いので、あくまで日本郵便と大和運輸が使えない代替えの手段として、リスクヘッジの意味で利用することをお勧めします。

ただし、出荷量が大きく増えてくると、佐川急便が自前で持つ冷凍倉庫への預け入れも可能になってきます(有料)ので、出荷量が増えてきた時に、料金交渉の際に合わせて在庫保管委託の相談をしてみるのもいいでしょう。