地震災害に備えるに当たってあることとして、揺れ方に対する誤解があります。

言葉そのままに取ると間違った解釈になり、解釈を間違うと無意味な対策になりがちです。

p波とs波の本質を理解する

昨今の地震学において、地震が発生すると、震源地から2つの波が発せられることが分かっています。

2つの波とはp波と、s波です。震源地から発せられたこの2つの波は、p波は揺れが小さく秒速8kmで地中を伝わり、s波は揺れが大きいけど秒速4kmで地中を伝わってきます。

地震警報は、速度の速いp波を先に検知して、遅いs波との距離から、各地の揺れの時間を警報で知らせます。

これもそこそこ地震警報での説明でメディアを通じて理解している方も多いと思います。

p波とs波の揺れの本質を知る

説明が長いと混乱しますので先に結論を書きます。

p波は進行方向と同じ方向の揺れで、s波は進行方向に対して垂直の揺れの力を持っています。

進行方向と同じ揺れだから伝わるスピードが早いとイメージできますね。

そして混同してしまう点が、体に感じる揺れが横揺れとは限りません。

震源地が真下の場合、進行方向は下から上です。ということは、進行方向と同じ揺れのp波は、体では縦揺れであり、進行法に対して垂直のs波は、体で感じる時は横揺れになりますよね。

p波は横揺れでs波が縦揺れと誤解しないように気をつけましょう。

震源地の距離が浅く、真下が一番危険

これが直下型と呼ばれる地震です。

直下型なので下から上への揺れであることに加え、震源が浅いのでいきなり大きな縦揺れや横揺れがきますので、予測が不可能になります。

地震対策は直下型の横揺れと直下型の縦揺れを想定して備える

いきなり不意打ちのように巨大な揺れに襲われることになる直下型。

不意打ちですし、揺れが大きしぎて身動きが取れません。

どこで被災するかもわかりません。

地震対策をするとなった場合は、一番不意打ちかつ被害の大きい直下型を想定して対策するようにしましょう。

対策は揺れが来てもパニックにならないこと

揺れてる間は何もできないかもしれません。

自分の身を守る、我が子の身を守るのに必死です。

そしてその揺れによって自分の身が自主的に守れないことだって十分に考えられます。

そんな時でもやるべきこと、それは「パニックにならず冷静な状態でいること」です。

普段は自分はパニックにならないと思っていても、いざ突然の大きな揺れが来たら、突き上げるような揺れに立ってられず、周りでは子供も大人も悲鳴をあげ、ものは揺れながら移動しながら倒れてきます。ガラスが割れる音、あまり書きたくはないですが、倒れている人、血だまりなど想像つかないことがいきなり起こるのです。

そんな状況でも「パニックにならない」。冷静であれば揺れが収まった時にすぎ、すべき行動に移せます。

ぜひ直下型を前提に、物の備え、思考の備えをしておきましょう。

直下型の縦揺れ

突然の突き上げるようば揺れと表現される直下型の縦揺れ。

木造の建物の場合だと、縦の揺れによって柱や土台の接合部分が外れてしまう危険性があります。

予算の関係上厳しい部分もありますが、接合部分の補強などの事前対策をしましょう。

直下型の横揺れ

直下型の横揺れは、縦揺れの2倍の力があるとされます。

揺れている最中は、固定されていない家具や備品が全て揺れで動きます。ロッキング移動と言います。

重いオフィスのデスクなどの場合、あなたに向かって迫ってきて下敷きになる危険性もあります。

となれば、事前対策はモノの固定を徹底することから始めます。

また、激しい横揺れとなると下の階の方が揺れで階まるごと倒れる危険性のあります。

バリアフリーの観点から人によっては厳しいところのあるかとは思いますが、一番無防備になる就寝の際は上の階で寝るなどもひとつの案です。