
本記事のテーマ
ネットショップ(EC)運営における送料(配送料)設定のこつと管理方法
本記事で得られる知識
送料の設定の仕方の基本的な理解度や知識を知りたい、どういう状況に応じて送料の金額を設定すればいいのかを理解することができます。
記事の前提
B2B、B2C、C2Cでの展開をしている、予定している、検討している方向けです。
1.送料対策のために必要なこと
1-1. 商品のパッケージサイズを把握する
商品をお客様に発送する際の送料の計算方法ってかなり面倒だと感じる方は多いのではないでしょうか?
結論からいいますと、非常に面倒だけどサイズ・重さを商品ごとに測って記録しておくのはとっても重要です。
なぜか?
サイズ・重さがわかっていないということは、「経費計算できていない」ことそのものだからです。
取り扱いアイテム数が大きからと、送料を総額で把握する経営者の方って少なくありません。送料負担率が増えれば対策を施せばいいですので、非常に簡単で済みます。
しかし、EC専門の大手企業であれbああるほど、取り扱い数に関係なくサイズ、重さを把握しています。
地球上で最も大きいECサイトであるアマゾンでさえ、自社倉庫内から発送する商品については、全て倉庫に商品が入ってきた段階で測っていますので、パッケージ変更などがあってもすぐに更新されます。
お金の流れは「コントロールできてなんぼ」ですから、サイズ・重さがわかっていないのに、頻繁に改定される運送会社の料金体系について、実際に実施してみてから乗り換えるというゴテゴテの手になることも少なくないのではないでしょうか?
小規模から初めて大規模ECであっても、サイズ・重さは必ず計測してデータ化しましょう。
意外と実施していないECショップ運営の方が圧倒的に多く、これができているか否かで利益計算もしやすくなります。
1-2. ダンボールを絞る
取り扱いアイテム数にも寄りますが、出荷時のダンボールは固定のものを数種類程度にしぼりましょう。
ちょっとコストがかさむとしてもこれは重要です。
スーパーのもっていっていいですよ的なダンボールや、仕入先の入荷時のダンボールを使用しているECショップって何気に多いですが、これは以下の2つの点からあまりいいとは言えません。
1-2-1. お客様の印象があまりよくない
使い捨てやスーパーで売ってそうなダンボールを使用したもので届けられたお客様ってあまりいい気がしないものです。
経費削減とはいえ、誰が使ったかわからず、何が入っていたのかさえわからない、下手をすると少し湿っていたなど、これもよくあるケースです。
1-2-2. 結局利益計算できていないのと同じ
ダンボールが固定されていないと、大小様々なのダンボールを加工して出荷することになります。
この加工時間って、出荷の商品や性質によって、完全まちまちで早く梱包できるものもあれば、すごく時間かかったり、しかもそれが人によってもスピードが変わりますので、結局加工時間の観点から人件費がコントロールできずにかかっていることになります。
ただで手に入れたダンボールの分、加工に時間がかかって結局人件費がかかっている時点で、結局なんのためにお客様からの評価も悪い安いからという理由でダンボールをもらってきたのかもわかりません。
1-2-3. 各ダンボールごとに何個まで入るのかを把握する
ダンボールをある程度サイズを絞ることで、それぞれのサイズごとの最大数量が把握できますし、それができると注文数量ごとの送料金額がコストとして完全に計算することができます。
パッケージの3辺サイズと重さがわかっていると、その大きさとダンボール大きさから計算によって、各ダンボールごとの最大梱包可能数量を計算することができます。
これを計算できると、経費を完全に把握できることになりますし、運送会社の運賃改定にも計算式を入れ込むだけなので、新料金体型がわかった時点ですぐに計算することができますので、先手で戦略を練ることができます。
2. 運送会社のサービスごとに料金を把握する
2-1. 全国一律タイプ
2-1-1. クリックポスト
日本郵便が提供する全国一律料金で、値段は、全国一律で税込み185円の格安のサービスです。
サイズは、長さが14cm〜34cm、幅9cm〜25cm、厚さ3cm以内、重さが1kg以内で、送る際も郵便ポストに入れればよく、受取側もポスト投函により配達されます。
料金の支払いについては、Yahoo Japan IDでのYahooウォレットによる決済に限定されていますが、サイズの安さからメルカリなどのC2Cビジネスでもかなり愛用されています。
厚さも3cm以内なので、そこそこの商品を入れることができます。
ただ、安い分制約がありまず紛失時の保証がありません。また、問い合わせ番号も発行されないので、出荷時の問い合わせ番号が必至のアマゾンでは利用できません。
2-1-2. ネコポス
ヤマト運輸が提供する全国一律の配送サービスです。
もともとはメール便はDM便での提供でしたが、大和運輸側のルール改定でモノを入れられなくなり、代用として始まったのがネコポスです。
値段は、取引量によりますが最大で378円(税込)で、サイズは31.2cm×22.8cm以内、厚さが2.5cm以内、重さ1kg以内となっています。
条件によっては集荷をしてくれますが、ECの配送の迅速化の観点からは持ち込みのほうが利点が高かったりします。
基本的に速達のような扱いになるので届くまでの日数が全国一律の割に早い特徴があります。
問い合わせ番号付きです。
2-1-3. レターパック、レターパックライト
日本郵便が販売する全国一律のサービスです。
レターパック、レターパックライトの2種類があり、ライトのほうが安い分サイズに制約があります。
2-1-3-1. レターパックライト
サイズは、34.0cm×24.8cm以内、厚さ3cm以内重さ4kg以内で360円なので、重さのさる商品に向いています。
全国一律、ポスト投函で、問い合わせ番号付きです。
2-1-3-2. レターパック
レターパックライトと同じサイズではありますが、唯一厚さ制限がありません。
従って、ポスト投函ではなく郵便局員が直接お届け先へ対面で渡します。問い合わせ番号付きで510円です。
2-2. サイズ・重さ、都道府県別
2-2-1. 宅急便コンパクト
日本郵便が提供する、都道府県別ではあるものの、2種類の(有料の)化粧箱で出荷することになりますが、通常の宅急便より安価で済みます。
取り扱い量にはよりますが、少々取り扱いが多い場合には、遠方への出荷に向いているサービスといえます。
2-2-2. 宅急便
大和運輸が提供する、通常のお荷物配送サービスです。
持ち込み割など、個人事業主で最初に始めるには非常に効率のいい料金体系といえます。
3. 運送会社別料金体系の考察
3-1. 運送会社の料金改定は頻繁におきる
昨今の運送会社の値上げは、どこかが値上げすれば他社も追随する形が何度も取られ、特に小サイズの商品が割高になったことで売れなくなってきました。
運送会社の料金改定は追随するようにあがっていきますので、契約しているところが値上げしたから、他に切り替えても切り替えた先の送料が改定になるということはよく聞きました。
料金は頻繁に変わるし、その度の計算に翻弄されないように、頻繁に変わっても動じない料金体系にしてきましょう。
3-2. 全国送料無料・一律送料向け
全国一律料金のクリックポスト、ネコポス、レターパックなどで出荷できる商品は、受取送料の設定も全国一律か、販売価格に入れ込んで送料無料扱いで出荷するのに向いています。
全国一律料金のサービスに収まるけど、1個しか入らない場合、2個注文なら送料が倍になるだけなので、販売価格に原価入れ込んで送料無料扱いにおするほうが、計算が容易ですしお客様に「送料無料」で販売できるので戦略的にプラスでしょう。
3-3. 都道府県別送料向け
都道府県別・サイズ・重量別なのは、日本郵便のゆうパック、大和運輸や佐川の飛脚宅配便、日本郵便のゆうパックが一般的には使われている配送手段です。
この場合の送料設定は、都道府県別で送料金額を変動させる場合は、1つの商品を発送する時の最低料金を送料に加味して、受取送料金額を決定します。
また、全国一律になる場合は、一番遠くで送料を支払う遠方の地域の送料を基準に原価計算をして、受取送料金額を決定します。一定注文金額以上は無料という、送料無料ラインの設定の計算でも、同じように無料にする場合に一番負担の多い(一番遠方の)都道府県の送料金額を基準に受取送料を決めるといいでしょう。