
本記事のテーマ
AmazonアフィリエイトのPA-APIが使えなくなった【実績必要】
本記事で得られる知識
2019年1月23日に仕様変更となった、アマゾンアソシエイト(アフィリエイト)のProduct Advertising API(PA API)を利用する方法と仕様変更の内容を知ることができます。
記事の前提
アマゾン・アソシエイトのProduct Advertising APIを利用している、もしくは興味がある方向けです。
1.AmazonアフィリエイトのPA-APIが使えなくなった【実績必要】
1-1. 仕様が変更された
アフィリエイター用の公式管理画面内にて、2019年1月23日より正式にPA-APIの大幅な仕様変更が発表されました。
実質的にはアフィリエイトの実績のない過度なAPI利用者に対する制限が強化された形です。
1-2. PA-APIとは
PA-APIとは、アマゾンが提供する「Product Advertising API」と呼ばれるアフィリエイター向けのAPIサービスです。
これは広告収入を得るアフィリエイター向けに、システムとして動的に情報を引き出す手段をアマゾンが公式に提供していたものです。
通常はアフィリエイト専用の管理画面に入った上で、広告として貼りたいリンクを手動で行っていたアフィリエイターが、ある程度のシステムを組んで業務の最適化をして大量に情報を引き出す手段として使っていました。
1-3. MWS APIにない有益な情報を引き出せた
アマゾンのAPIはアフィエイター向けのPA-APIと、出品者向けのMWS APIの2種類あります。
MWSのほうがアクセス回数が大幅に多いのですが、PA-APIだからこそ引き出せた内容があり、これが今後は正式な方法で抽出できない形なります。
例えば、商品詳細ページ内の商品説明文などはPA-APIでないと引き出せないので、今後はAPIを使って引き出す手段が実質的になくなることになります(アフィリエイトで売上ればいい話ではありますが)。
1-4. マーケティングツールとして有用
PA-APIは引き出せる内容のバラエティの多さから、マーケティングツールとしてかなり使えました。
それまでも実績があればアクセスできる回数制限の母数が増える形になっていましたが、デフォルトで1時間に2000回アクセスできたので、それなりの情報が引き出せていたわけです。
2. 制限の内容の解説
2-1. 更新された制限内容
変更内容は以下のとおりです。こちらでも確認できます。
- API利用を開始してから60日間 : 1日あたり8640リクエストが上限(10分に1度のアクセス)
- (60日経過後は)PA-APIで生成した商品リンクを使った売上が過去30日間の間に、$0.05(約5円)ごとに1回のアクセス可能
- 与えられたアクセス回数は1日で最大864000回まで取得可能
- 2019年1月23日より適用
2-2. アカウントの紐づけが必要
これは仕様変更前からそうですが、PA-APIを利用するには、審査の通ったアフィリエイト用のアカウントと紐づけする必要があります。
これ、、、管理画面の中で操作するので普通は審査の通ったアカウントでないと登録できないようなイメージがあるかと思います。
アフィリエイトとしての審査が通っていないアカウントとapiを紐付けようと思えば紐付ける事自体がができるため、アフィリエイトアカウントとのapiの紐づけをしないといけない点注意です。
設定としてはヒモ付ができてしまう割に、アマゾン側がそれを見つけると規約違反として制限をかけてきたりしますし、これを事前にアマゾン側が教えてくれるわけではありません。
2-3. PA-API経由での実績が必要
今回の制限の一番大きいところは、ヒモ付後60日間でも10分に1度しかアクセスできず、それ以降はアフィリエイト経由の売上約5円ごとに1回のアクセス権を与えられるという、完全に実績がないとアクセスできない仕様に変更された点です。
PA-APIは実績がなくても1時間あたり2000回のアクセスができましたので、それだけ有益なアクセス数でしたが、10分に1(=1時間で6回)に大幅に減ってしまうので、データとしての活用方法の魅力がなくなってしまいました。
2-4. 仕様変更の経緯とは
筆者としては利用していた身なので不満がありますが、アマゾン側の視点に経てば気持ちは納得できる理由があります。
結局、アフィリエイター向けに実績を作って欲しいからPA-APIを提供していたのに、実績のない人がデータ取得のためのだけに1時間に2000回のフルアクセスをしている機会が多くあったこと、アマゾンのシステムの不可が大きかったのが一番大きいわけです。
筆者はcron使って1分間1度程度でしたが、フルマックスでアクセスする人は少なくありませんでした。
これはセラーの管理画面にアクセスできるMWSでも同じで、少し前まで小口出品でもMWSへのアクセスができたのが、大口出品限定になりました。
これも同じ理由で、固定費さえ払っていなくて商品を販売していないのに、小口出品でアカウントが有効という理由だけでPA-APIよりもアクセス可能回数が多いMWS-APIに大量にアクセスされ続けるのは営利企業であるアマゾンとしては、プラスな要素が全くなかったということです。
最後に
2018年10月頃に楽天のアフィリエイトがアマゾン寄りの内容に仕様が変更されましたが、実はアマゾンの今回の仕様変更も本質的には同じではないかと見ています。
というのも、当サイトではECサイトの今後の方向性に関して強調するにように書いていますが、これからの時代は商品は「体感・コト」によって売れていく時代なので、APIという大量生成というシステマチックなやり方では到底売れていかないわけです。
1つ1つの商品に関する貴重な体験や体感、物語をコンテンツのように語れるところこそ売れていくわけですから、大量アクセス型のアフィエイトが全く売れないことを示しています。
これは、ECを運営するショップ側としても大きな教訓といえるでしょう。