ネットショップ運営店長としての資格・キャリアアップ【人材】

本記事のテーマ

ネットショップ運営店長としての資格・キャリアアップ【人材】

本記事で得られる知識

ネットショップを運営する店長としての資格としてどんなものが望まれるか、キャリアアップとしてどんなことを身につけると、どのようなキャリアアップの選択肢ができるのかを知ることができます。

記事の前提

ネットショップで働いている人向けの店長としての素質、そしてキャリアアップの方法を知りたい方向けです。

1.ネットショップ運営店長としての資格とは【人材】

1-1. 店長業務はやることが多い

ネットショップの店長業務はなんといってもやる内容が多岐にわたっている点です。

ネットショップの主な業務はこちらの記事に書いてますので、詳しくはこちらを御覧ください。

ネットショップ開業したい初心者のための業務の基礎知識

これらをこなしく力が必要なりますが、1日8時間働くとしてもアナログでの作業や自分1人だけでは全ての業務を回してくのは困難です。

店長業務はざっくりした表現でいうと「全体を運営する」ことにありますので、ほとんど実店舗運営に近いです。

実店舗運営と比較するとわかりやすいですが、商品の陳列一つにしてもネットショップ運営では、カテゴリーの作成や専用ページの構築、画像・バナーの構築から入り、それらが終わったら販売する商品の情報を全て目視で判断してもらうためページ内に入れ込んでいきます。

実店舗のように陳列してお客様が勝手に手にとって見ていただいて、気になったらスタッフに聞くという体制がネットではできません。

目に商品が入った段階では、その商品の情報をお客様が勝手にページで確認できる状況にしないといけないので、売る商品全てに対して商品名、キャッチコピー、販売価格、在庫、商品詳細説明などの細かい作業を施していかなければいけません。

実店舗以上にきめ細かい作業が必要になってくるのです。

1-2. ネットショップ運営店長の年収相場

ネットショップの店長業務の年収は中小企業と大企業では大きくことなってきます。

大手のECサイト運営であれば、年収については400万円以上になることが少なくありません。

しかし、ECサイト運営の大手の数自体がそこまで多くはありませんので、求人数自体がかなり少ないです。また、場所も都心部に限られることが圧倒的に多いので、地方在住の方が高年収のECサイト運営の店長業務のしごとにつくことはかなり厳しいです。

そして、中小企業の店長業務になると逆に年収300万円あたりが平均になってきます。

ECサイトの特徴であるきめ細かい作業に加え、バックヤードもかなりアナログであり、更にその割に薄利多売の体制になりやすいのが、ECの特徴です。

そうなると、そもそも社員として募集するネットショップ自体も少ないですし、店長業務として募集があっても最低月収20万円以上というところが圧倒的に多くなります。

また、その上少ない人数で業務をこなしていく必要がありますので、フロント業務用のhtml,css,java script,excelの知識はもちろんのこと、自身の業務負担を下げるために、phpやmysql, excel VBAなどの知識があったほうが望ましいです。

もちろん、自ら売上を大幅にあげていけるガツガツの根性店長ならいいのですが、根気も必要になってきます。

2. 素質とは

ここでは圧倒的な割合を占める中小企業のネットショップの店長業務について書いていきます。

2-2. 業務全体に対して業務内容を理解していることが大前提

当サイトでは筆者の経験も交えて記事を書いていますが、筆者の経験上バックヤード業務を理解していない店長・運営者がかなり多いです。

ネットショップの中で魅力的なのは、目の前にお客様がいなくても注文が入り、売上があがるというのが、よくある1つ先の安易な考え方の一つです。

そして、これによって売上をあげるために、立ち上げ当初のネットショップの運営者の多くは、バックヤード業務ではなくフロント業務に注力します。

ページデザインを考えたり、htmlでページのコーディングしたり、きれいな画像を撮影・編集してアップロードしたりと、フロントに力を注ぎます。

バックヤードについては初期は後回しというところが大半です。

店長業務を抱えるものとしては、お店全体を見ていく必要がありますので、お金の流れ(マネジメント)、お客様の目線の流れ(フロント業務)だけでなく、物の流れ(バックヤード業務の物流)についても、こなすスピードは遅くとも、オペレーション自体は理解しておく必要があります。

現場目線での動きがわかっていないのに、店長業務を行うと、出荷をする現場スタッフと大きな溝が埋まれ、出荷がうまくいかなくなることが少なくありませんので、仕入れた商品が入荷して棚入れするまでの業務の流れ、注文が入ってから商品をピッキングし、検品し、梱包し、出荷するまでの業務の流れ、それから出荷後の返品や交換などの対応時のマニュアルについてなど、バックヤードも理解する必要があります。

2-2. 運営に必要なスキルをもっているか

部下がいる場合には、上記のように指示をしていく度量が必要ですが、部下さえいない小さなお店の場合には、自分自身が業務の最適化を図るために時間を作るためのスキルを磨く必要があります。

例えば、受注処理、在庫管理、価格管理についてはエクセルの関数やマクロを学び、ほぼ自動生成で更新するツールを作るなど、とにかく1つの業務についての最適化が必要になってきます。

2-3. 少数勢力でスタッフをマネジメントする力

先程述べたとおり、中小企業の店長業務では、下手をすると店長にも関わらず部下がいない場合もありますし、いたとしても1,2名というところが圧倒的に多いです。

その少ない人数で業務を多岐にわたって回していくために、部下に任せるところは負担が大きくても任せる度量が必要です。

店長はあくまで船のかじをきる船長でもありますので、船長がひっしにオールを来いでいたら方向がわからなくなります。

スタッフの業務負担を下げるためにも、店長自身が冷静に指示できる状況が必要です。

現場スタッフが走り回っていたとしても、それらを緩和するための策も含めて、店長は時間をうかして運営に時間を回すようにするスキルが必要です。



3. キャリアアップの方法

3-1. 社内で昇格を目指す場合

中小企業として自社内で昇格していくキャリアアップの場合、自らの舵取りでの売上アップが必至になります。

中小企業ECの店長の年収はあまり高くないですし、年収アップの条件は単純に売上げアップもそうですが利益をあげることです。

薄利多売の中、売れる商品をブランディングして売るマーケティング力、少ない人数で受注・出荷をこなるバックヤード業務の最適化、商品知識をきちんともってお客様対応をする力など全てをこなしていく必要があります。

3-2. 転職する場合

転職によってキャリアアップを図る場合においても、全体の業務の流れをきちんと把握する必要があります。

但し、年収アップを望んで他社のEC業務の会社に転職するハードルは高いです。

まずそのような募集が少ないので募集が出るまで地道に待ち求人を調べるなどするか、より都心部への引っ越しを前提として転職先の所在地の範囲を広めたりしたほうがいいでしょう。

3-3. 他の職種に可能性を広げる

マネジメント・マーケティングのスキル活かすとなったら、ECに限らずwebマーケティングやwebディレクションに関係する仕事に転職するほうが年収アップが望めます。

photoshopが得意なのであればweb designerとしても、EC運営よりもキャリアアップが見込めます。

出荷が得意なのであれば、倉庫業の管理業務としてもキャリアアップを見込めます。特にEC系の倉庫は経験者が少ない上に、規模は違えど細かい動きまで管理するスキルがあるなら、ニーズも高いです。

ECというのはweb業界のほんの一部にすぎない上に、web業界で求められる多くのスキルを使ってこなしていく必要がある割には、薄利多売になりがちで得意分野を徹底的に活かすというよりは、業務全体のスキルをある程度網羅していて成り立っているため、ECからの他のweb業界への転職のほうが容易なのです。

3-4. 独立

中小企業の店長業務を経験し、全ての業務を網羅してくると、どの部分を外注したほうが最適化できるか、モールとして出店の順番、人の割り振りの仕方、売上規模だとどのタイミングでシステム導入すればいいかなのどのタイミングがわかってきます。

特に強いのは商品の仕入れの手段です。中国やマレーシアからの輸入の仕方、国内の卸し元などとのコネクションがあれば、NB品を仕入れれるようになりますし、オリジナルであればその製造の仕方を知ってしまえば、売上商品を自身で手がけることができます。

中小企業のEC店長の収入が比較的少ない割にやることが多いことを活かす意味では、自社でキャリアアップするよりも、自身で運営するスキルを身につけることができるので、売れる商品の開拓方法・ブランディングの仕方さえわかってしまうと、意外と低資金で独立できてしまいます。

ビジネスモデルを吸収した上で、自身で店を構えて販売するのもECでは一つのキャリアアップの手段の1つと言えます。