EC通販(ネットショップ)の偽サイトの見分け方8つ

詐欺サイトに要注意と言われてはみたものの、具体的にどこに注意をしたら偽サイトを見分けることができのかを、このページでは学ぶことができます。

本記事のテーマ

EC通販(ネットショップ)の偽サイトの見分け方

本記事の筆者について

筆者は7年間、自社サイト、アマゾン、楽天、ヤフーを始め、自社を含む9モールでEC通販運営を行っています。運営の幅は多岐に渡っており、マーケティング、マネジメントはもちろんのこと、物流センターを実際に0から構築したり、受注業務を効率化するために在庫連動などのシステムも自らプログラミングして構築した実績があります。

そんな中、実際に自社ブランドなのに、詐欺サイトで販売されていたことで、支払いをして騙されたユーザーから相談を受けたことがあり、そこから運営者として学んだ手口を公開したいと思います。

疑わしいけど購入するか否か迷う時の鉄則

鉄則は「電話して問い合わせをする」ということが重要です。これが意外に苦手といいますか、選択肢にない方が少なくありません。

正規のショップでも、零細だったり個人事業主が運営していたりする場合、フリーダイヤルを用意していないお店も少なくないので、通話料がもったいないと思う人も多いと思いますが、詐欺の手口にハマって全て取られるよりはマシです。

そして、疑問に思うことを電話で全て問い合わせましょう。

「他店舗と比べて圧倒的に安い理由はなぜか」

「廃盤品のはずなのになぜ在庫が多いのか」

など、眼の前に商品がない分、信頼性のある情報を確認する方法は聞き取りしかありません。

偽サイトの見分け方

ECサイトの詐欺サイトの見分け方

詐欺サイトを見分けるためには、普段のネットショップでの買い物の段階で、最初に購入する初めてのお店についてはある程度「疑う」ということが必要です。

先に結論からいうと、モール系以外の自社運営ネットショップの場合は、間違ってお金を支払うと、詐欺だと気づいた後にお金が戻ってくる確率が非常に低いです。

ですから、鉄則は「初めて利用する場合には疑う」姿勢を持ちましょう。安価な商品の購入なら問題ないかもしれませんが、最近では手口が巧妙になってきています。

1.通販サイト名をQ&Aサイトで調べてみる

ヤフー知恵袋内や、googleとヤフー内の検索で、疑わしいサイトの店舗名で検索すると、本当に詐欺サイトだった場合、詐欺にあった事例が多く出てきます

もちろん普通の通販サイトでも、対応が悪いゆえのクレームはありますが、詐欺サイトですから「商品が届かない」「連絡がつかない」といった書き込みの内容が大半なので、すぐ判別がつくはずです。

amazon、楽天、ヤフーといった大手のモール内にて出店しているお店の場合は、商品が届かないなどのクレームが出た場合、そんなに時間がかからないうちに通報され、出店停止処置になることが大半なので、Q&Aサイトに投稿が何件も出されるまで長続きしません。

ですから、こういったQ&Aサイトに書き込みがされるというのは、独自ドメインで自社通販サイトを装っているケースが多いです。

自社サイトでQ&Aサイトでの届かない系のクレームは要注意です。

2.ネットショップ内の価格が1割以上安い

偶然詐欺サイトを見つけましたので、ここでご紹介します。

buritsuwata.info/

こちらは以下の条件がかなり揃っています。確認してみてください。

通常価格が圧倒的に安い

こういった詐欺サイトの場合は、価格が他店舗よりも通常価格が1割以上安いことがかなり多いです。

通販サイトには「小売価格」の表示はあまりなく、通常価格とセール価格のおおよそ2種類の価格設定で、お客さんを引き込むことが一般的。

セール価格は”一定期間”安い価格設定ということで、通常はいついつまでなどの表示がされています。

商品個別にセール期間が表示されていることもあれば、画面のヘッダー(上の部分)や、左側にバナーとして、「セール中」の旨の表記を確認することができるのが一般的。

ところが、詐欺サイトの場合は常にその価格表示になっていることが多く、通常価格表記で1割以上安い設定にしていることが多いです。

全商品が他店舗よりも安い

一部でもなく、セール品でもなく、大多数の商品が他店舗よりも圧倒的に安い店は詐欺サイトの可能性が極めて高いです。

特に、多くの商材を取扱している場合は更に疑わしいでしょう。なぜかというと、取扱いアイテム数が多岐にわたっている場合は、チェーンストア理論を以て引き寄せのために一部商品のセールを実施することがあっても、圧倒的多数の商品を安くする合理的理由がありません

明らかに国内メーカー、海外メーカー、輸入品とごっちゃに取扱いしているにも関わらず、値段の幅が全て安いのは不自然なので、購入は避けるべきでしょう。

3.他のネットショップ店舗で在庫切れなのに実在庫ありになっている

他ではどこも扱っていないか、売り切れになっているなか、価格が安い上に実在庫あり表記のお店というのは非常に怪しいです。

というのも、これは売る側の心理をぶっちゃけてしまうとわかりやすいです。

売る側としては他店舗の価格というのは、敏感に気にするものです。やすければ他店に逃げますし、欠品ならうちはチャンス!と思うものなのです。

他のお店でも売っていたものが全部売れてしまって、自分のお店でしかお客さんが購入できないと判断すると、普通は「小売価格」ぐらいまで価格を戻して、商品1個の販売でできるだけ多くの利益を得ようと考えるからです。

ですから、他のお店が売り切れ続出で、在庫ありで価格が安いままならば、戦略として不自然なのでまず疑ったほうがいいでしょう。

4.所在地が存在するか

まず特定商取引法上の表記における所在地をマップで調べてみましょう。

偽サイトの場合、番地を1つだけ偽って、所在地が存在するようで存在しない住所であることがあります。

例えば、番地が2-1-5と書いてあっても、よくよく近辺の住所を調べてみると、2-1-4までは存在するけど、2-1-5は存在しないということが少なくありません。

そもそも特定商取引法上は、正確な所在地を記載しなければいけないわけですから、法的にもおかしな話ですから、詐欺サイトと断言的に判断していいです。

5.電話が繋がらない

最近では050を無料で設定することができますので、電話番号は容易に準備することができます。

こちらも特定商取引法上表記が必要であり、またモール内出店の場合は、この法律に基づいて規約として正しい電話番号を記載することが義務付けられています。

そんな電話番号ですが、かけて見ると出ないことが少なくありません。

価格というよりは、在庫確認や注文後の納期確認、発送元の都道府県名などの質問のために、電話で確認してみることをおすすめします。

営業時間内にも関わらず電話してもでず、また大体30分程度以内の折返しもない場合は、偽サイトと判断していいと思います。

大小合わせても数万店舗もの通販ショップがある中で、お客様窓口である電話の応対ができないところからは購入しないほうが無難です。

6.他店とそのブランド商品の一致している商品を売っている

これ意外に効果的なポイントなのですが、特定の1つの他店舗で、ブランディング化して売られている商材にも関わらず、他店舗でその商材を取り扱っていて、しかも安いというのはほぼ詐欺サイトと判断していいです。

例えば、A店でしか売っていない商品にも関わらず、詐欺と疑わしい通販サイトで、A店でしか取扱がないはずの商品が、A店の名前もしくはそのブランド名の表記がされた状態のまま、格安で売られている場合です。

これは実際に、筆者が運営するネットショップであったことです。自分の店の商品が他店の自社通販サイトで、普通に考えたら明らかに赤字になる価格で売っているということがありました。

住所を調べてみると案の定番地部分が存在せず、詐欺サイトだとわかりました。

7.後払いの選択がない

詐欺サイトの手口は、正規のサイトだと信じ込ませて、購入手続きに入り、お金を払わせて、そのまま発送をしないというもの。

ですから、お金を先に回収する前払い以外の「後払い」の選択肢が全くないのが特徴です。

前払いというのは、クレジット払いや銀行振込、モール内にいたってはコンビニ払いなど、とにかく先に支払いを完了させるもの全てです。

後払いは、商品を発送してからのものなので、代表的なのは「代金引換」です。今や代金引換はメジャーな支払い方法です。

零細や個人事業の正規のお店か見分ける場合:

信用の観点から大和フィナンシャルや佐川フィナンシャルなどとの契約が行えていない場合もあります。

この場合は、売る側の心理を考えると理解しやすいのですが、個人事業や零細で更に開店したばかりというお店は、代金引換が選択できない場合が多いです。

しかし、そんなお店さんでも他の後払いが選択できるお店には負けていることがわかっているので、例えば電話で問い合わせするときちんと出て応対してくれます。

何かそういった疑問をお客さんから投げかけられた場合は、それを払拭する方法を教えてくれると思います。

それでも、どうしても後払いの選択ができない場合には、お店さんから断ってくる場合もあるはずです。

8.打ち間違いではない日本語の語法のミスが目立つ

明らかにタイピング上のうち間違えではなく、会話としておかしい日本語の助詞や、動詞の活用の仕方がおかしいものは詐欺サイトと断言できます。

近年では、自動翻訳のAI化がかなりすすんでいますので、流暢な翻訳になってきていますが、それでも人と人とがコミュニケーションをとる上での微妙なニュアンスとしての違和感は、日本語を母語とする場合には気づくことができます。

こういう場合は、まず電話で問い合わせすることで、偽サイトかそれとも外国人が運営している正規の店か理解することができると思います。

万が一お金を払ってしまった後にすること

ネットショップの詐欺サイトを見分けることができます。

1.まず警察へ被害届を出す

クレジットカードや銀行振込の場合、支払いが確定するころに(時間を稼いで)詐欺と気づかせる手口が王道です。

従って、支払った段階で戻ってくる可能性は非常に低いです。

ですが、クレジットカードの該当支払い分を止める、銀行側に振込の処理を停止してもらうにせよ、昨今はオレオレ詐欺など他人を装ってお金を引き出す・引き出させる詐欺が横行したこともあり、銀行側が応じてくれないケースが目立ちます。

金融機関が動くためには、被害届が必要になりますので、詐欺だとわかった時点ですぐに警察に通報しましょう。

その際に、やりとりした内容(メールや取引画面などのスクショ)を記録しておくといいと思います。

2.モール内なら通報する

モール内での出店店舗の場合は、直ちにその運営側に通報しましょう。

特に、アマゾン、楽天、ヤフーを筆頭に大手のモール系の出店サービスの場合は、支払ったお金が戻ってくる可能性があります。

マーケットプレイス保証制度 : 

アマゾンにはマーケットプレイス保証制度があります。

アマゾンに出店している筆者の経験上、マケプレ保証を申請すると、90%以上の確率で保証が適用されます。

これは売る側からすると非常にきついですが、それでも地球一の顧客満足度を目指すアマゾンならではの制度です。