人称というのは、主語を表す概念です。

 

1人称、2人称、3人称の3つで構成されていて、これに単数と複数を乗じた計6パターンがあります。

 

1人称というのは、自分自身を表すものです。日本語だと「俺」「僕」「私」「あたち」「わし」「われ」などが1人称です。自分を中心に考えたときの自分を表現する部分が1人称となります。

 

それに対して、2人称というのは、自分自身を中心と考えたときの、「話かけている相手」を表します。つまり、日本語だと「あなた」「君」「お前」「貴様」「貴殿」ですね。

 

1人称と2人称というは、相対的で相手からすると私は「2人称」ですが、私からすれば話をしている相手は「2人称」です。

 

自分のことを「貴様」とか「あなた」といわないところを思い浮かべればこの1人称と2人称が理解できるはずです。

 

最後に3人称というのは、1人称と2人称で一つまたは一人を指すすべてを指します。「彼」「彼女」「それ」「これ」「りんご」「マクドナルドのハンバーガー」だけでなく、「ベンツ」「インターネット」など、1人称と2人称に当てはまらないものは全てです。

 

この3種類を更に「一つ」か「2つ以上か」で分かれるのが英語、、、というよりスペイン語、フランス語、イタリア語、ドイツ語、ポルトガル語も共通しているものです。

 

1人称の複数というのは、自分たち自身のことをさしますので、日本語でいえば、「私たち」「俺たち」「僕たち」「我々」といった感じです。

となると、2人称の複数というは、自分自身を中心に見た際の、複数いる相手方となりますので、「あなたたち」「君たち」「お前たち」「貴様ら」「お前ら」「ユーたち」といったところではないでしょうか。

3人称の複数は、この1人称複数と2人称複数以外の複数の名詞(モノや人などありとあらゆるもの)全てをさすことになります。

ちなみに日本語だと自分のことを自分の名前で言う方がいますが、英語では1人称である自分自身を表すのは「I」という代名詞一つだけです。英語で自分のことを自分の名前としていうと、あくまであなたではない同じ名前の別の人のことになりますので、注意しましょう。

 

人称を2×3のマス目で理解する

人称というものは「2(単数と複数)×3(人称)」をマス目の図にして把握しておくと、後々の動詞の活用形を覚える際にかなり効率よくなりmす。

 

マス目を使うとはつまり人称を覚える際に、以下の図で覚えてしまうということです。

 

単数 複数
1人称
2人称
3人称

 

例えば代名詞を上記の図に当てはめると、

単数 複数
1人称 I We
2人称 You You
3人称 He/She/It They

となります。一般動詞の現在形の活用を当てはめると、

単数 複数
1人称 I play sth We play sth
2人称 You play sth You play sth
3人称 He/She/It plays sth They play sth

となります。playは他動詞なので日本語でよく使う「~~をして遊ぶ」や「なになにをして遊ぶ」という言い方の「~~」や「なになに」の部分を表す「sth(=something)」を文法的に正確にということであえてつけています。

また、「今していること」を表したい場合は上の現在形を若干いじると以下のようになります。

単数 複数
1人称 I am playing sth We are playing sth
2人称 You are playing sth You are playing sth
3人称 He/She/It is playing sth They are playing sth

という具合です。全てこの図に当てはめると、活用の変化を人称ごとに理解できるようになってきます。

 

この2×3を使うことで、わざわざ難しい日本語の文法用語を使わずとも、自然と活用の仕方や人称のタイプを学習することができます(ちなみにこの図にするとわざわざ3人称・単数・現在の一般動詞にはsがつくなんていう必要がありません。)

 

効率的な点はこの方法だと、あの最初のつまづきであった「三人称・単数・現在」を自然と覚えることができます。2×3のこの部分だけsをつければいいんだなとわかっていれば、後は使い放題です。

 

英語以外のヨーロッパ系言語の多くはこの2×3で活用する

例えば、スペイン語の動詞というのは、2×3の6種類の活用が存在します。

 

英語でいうbe動詞に該当するestar動詞というものがあるのですが、「私は元気です(I’m fine.)」この2×3で使うと以下のようになります。

 

単数 複数
1人称 estoy bien estamos bien
2人称 estas bien estais bien
3人称 esta bien estan bien

2×3の1人称、2人称、3人称と単数・複数という体系は全く一緒です。

 

つまり、この2×3で覚えておくと、英語を習得した後に更に別の言語を学ぶとなった際に、英語を学習した時とは比べ物にならないぐらいに早い習得を可能にするのです。

 

この覚え方をせずに、1人称の複数のbe動詞がareだから、現在進行形をつくる場合はこうなるといった、「わざと難しい言い方」をせずとも理解が早いので、ぜひとも試してみてください。