ネットショップ(EC)運営上納品書はいらないのか【個人事業向け手書き納品書】

本記事のテーマ

ネットショップ(EC)運営上納品書はいらないのか【個人事業向け手書き納品書】

本記事で得られる知識

B2B,B2C向けのECサイト運営上、慣習的に同梱することの多い納品書に関する知識を得ることができます。

今現在運営している方、これからECサイトを運営したい方にとって、やりやるい判断材料として使用できます。

記事の前提

B2B、B2C向けのECサイトを運営している方、これから運営しようと考えている法人、個人事業主向けとなります。



1. 納品書とは

納品書とは、商品を納品する時に取引先に対して渡す書類のことで、法律的な義務はありません。

ただ、ネットショップ(EC通販)を運営する上では、モールやショップ管理画面内でも発行できる上、商品と一緒に納品書を同梱するのが慣習的に一般化しています。

慣習化されているが故に、受け取るほうもあるほうがないよりは安心を感じることも多く、結果的に入れることが前提の動きになっています。

1-1. 記載する内容

納品書自体は法律上の義務があるわけではないですが、発行する際には記載するべきと国税庁が推奨しているものがあります。

それが以下の5項目です。

  1. 書類作成者の氏名またはブランド名orショップ名or会社名
  2. 取引年月日
  3. 取引内容
  4. 取引金額(税込)
  5. 書類を渡される相手の事業者の名称または氏名

これらは義務ではないので、省略してる納品書もあります。わかりやすいのがB2BサイトのNetseaです。

お客様に金額を通知させたくない選択をすると、管理画面内で取引金額のない納品書を印刷することができます。

2-2. 気持ちを伝える手段(個人事業)

小規模の取り扱いで事業を行う個人事業主にとっては、商品と梱包材以外で何かしらの気持ちを伝える手段という位置づけで、手書きや手書きのものを印刷したものを納品書として同梱して発送する方が少なくありません。

広告以外での何かしらの気持ちを伝えるためには、必至のアイテムとも言えますし、手のこもった納品書を渡されればそれだけで、また利用しようと自然に思うのではないでしょうか。

2-3. 領収書兼納品書

B2B,B2Cに関係なく、個人というより個人事業主や法人が購入するような商品の性質の場合には、領収書発行依頼が比較的多い場合があります。

納品書に記載する内容に義務はないですので、納品書兼領収書として発行して発送するネットショップもあります。

お客様によっては、手書きの領収書がほしいと希望される方も稀に出てくる形ですが、後になって発行依頼をするよりも、宛名を空欄にした領収書を発行するほうが、ゴテゴテの手間は省略できます。

2-4. 納品書に広告を入れる場合がある

お客様に直接お店側の告知や意思を伝える唯一の手段となる納品書を広告代わりに使うネットショップもあります。

納品書は慣習的に必ず入っているものという認識のユーザーが少なくないのですが、商品と納品書以外にやたらと広告を入れられると不快な思いをする方がこれまた少なくないのです。

そこで、例えばA4サイズの紙の半分は納品書にして、残りのスペースに広告を印刷してしまうという方法を執るところもあります。

また、納品書は入れずに半分を領収書、残り半分を広告にして、切り取り線を入れてうまく破棄させるというやり方をする場合もあります。

2. 納品書の印刷の仕方

今や、自社サイト運営の場合の決済カートや、ECプラットフォームだけでなく、モール内でも簡単に注文内容に関する納品書の印刷が可能です。

今回は以下のモールに絞って印刷方法を説明したいと思います。

2-1. アマゾン

注文画面内で該当の注文にチェックを入れ、一覧表示の左上か左下にある「納品書を印刷」を押すと簡単に印刷することができます。

2-2. 楽天

注文詳細の画面上部にある「帳票作成」をクリックし、お買い上げ明細書をクリックして、「PDFを開く」を押すと印刷用画面が出てきますので、これを印刷します。

2-3. ヤフー

注文画面の詳細を開き、画面上部にある「メール・帳票」をクリックし、画面下部にある「帳票出力」内の「納品書」行の「pdf」をクリックして開いたファイルを印刷します。

3. 納品書は必要ないのか

3-1. 楽天違反制度から議論が活発化

納品書自体必要ないのではないのかという議論が、2018年の後半から加速し始めました。

その理由は、楽天が顧客満足度向上のために開始した、累積違反点数制度です。

これは、予め楽天側で違反対象の内容と点数を設定しておき、実際に違反内容がお客様よりクレームとして寄せられた場合で、改善の見込みがないとなった場合に、年間で点数を課し、累積した違反点数に応じて、ペナルティを課すというものです。

この中で「テレコ」については、名前、住所、電話番号などの個人情報が全く違い個人に渡ってしまうということで、違反点数が25点でかなり大きいのです。

ちなみに、1年間で100点の点数がたまると、52日間の出店停止且つ違約金300万円となっています。つまり5回テレコ通報があると、えぐい結果になってしまうのです。

3-2. 間違いやすい

とはいっても、1日に数十件程度ならば目視チェックだけで防げる形にありますが、1日に何百件も注文が入ってしまうと、目視チェックでは限界があります。

更に、出荷作業では通常送り状と納品書と商品はバラバラになっており、その3点セットを照らし合わせによりセットにするアナログ作業が存在。

しかもこの役目がかなり重要ですので、おそらく責任力のあるスタッフが振り分けをしているケースが多いのではないでしょうか。

ネットショップ運営は薄利多売のケースが少なくないので、そこにお金を投じれないとなるとどうしても目視チェックに頼らざるを得なくなってしまいます。

3-3. いれなくても良い

そこで出てきたのが、そもそも納品書を入れないという選択です。

実際に楽天での違反点数制度が始まるとなって、納品書を入れなくなったという業者さんがちょこちょこ表れました。

実際に納品書を入れないで作業をするとなると、

  • 照らし合わせの手間が大幅に減る
  • 印刷費用が浮く
  • ミス自体が減る

利点が大きく、慣習的にお客様にわたすものという内容以上の効果があります。

最後に

ハンドメイド商品を取り扱ったり、領収書付きの納品書の場合には策が必要ですが、そうでないならばいっその事入れずに、商品の梱包力に力を入れて、お客様の心を掴むのも一つの手ではないでしょうか。

余談ですが、納品書と領収書一体型の一元管理システムを行っているところもあります。領収書として機能させることも可能ですので、ぜひご検討を。