
本記事のテーマ
自社ECサイト運営で必要な独自ドメイン名の決め方、取得の仕方
本記事で得られる知識
自社ECサイトの開業準備をするために必要な独自ドメイン取得に関する知識、取得する際に気をつけること、こつについて学ぶことができます。
独自ドメインに関する知識全般にはなりますが、後半では自社ECサイト運営を前提にした、筆者の経験上のおすすめの手順なども公開しています。
記事の前提
本記事は独自ドメインを取得したい方向けの記事です。
EC関連で訪れた方は自社B2B、自社B2C、もしくはEC運営以外でブランディング用・公式サイト・(オウンドメディアを含む)ブログ開設をしたい方向けになります。
1.独自ドメインの取得の仕方
1-1. そもそもドメインとは
ドメインはこのサイトでいう「simplelectures.com」の部分で、ホームページやECサイトを運営するにあたっての公開住所という位置づけです。
webブラウザーを開いて、ドメインを入力するとそのホームページにアクセスできますので、インターネット上の住所を所有することがドメイン取得という意味になります。
1-1-1. 早いものがち
住所はホームページを特定するためのものなので、早いものがちです。
ですから、当サイトであれば「simplelectures.com」は当サイトがこのドメインを手放さない限りは、誰も取得することができません。
1-1-2. ドメインの種類
ドメインという名称は大きなカテゴリーの名前そのものです。細かく言うと、以下のような種類に分けられます
ドメイン取得にあたって、様々なサイトで情報収集すると思いますが、概ね以下の名称が出てきますので、ここで意味を先に理解すると、内容の理解がスムーズにいくと思います。
ドメインは基本的に
- 「https://○○○.△△△.□□□」
- 「http://○○○.△△△.□□□」
- 「https://△△△.□□□」
- 「http://△△△.□□□」
の4種類から構成されています。
最近はホームページを見るためのWebブラウザには「https://」や「http;//」が隠れていますが、ホームページのドメインは上記4つが原則です。
1-1-2-1. 独自ドメイン
独自ドメインは他の誰ももっていないオリジナルのアドレスを取得するという意味で使われます。
上記4種類構成のうち、「△△△.□□□」の部分を指します。.□□□は以下のトップレベルドメインというので、△△△を指す方もいます。
独自ドメインを使う意味合いとしては、「他の誰もが取得していないドメインを取得する」意味では、唯一無二の点では「△△△.□□□」を指すのが正解かと思います。
トップレベルドメインと合わせた独自ドメインが、Eメールアドレスにもなります。
1-1-2-2. サブドメイン
上記4種類のうち「1.」と「2.」の○○○の部分をwww以外で設定したドメインを指します。
サブドメインは独自ドメインを取得した上で、○○○の部分を設定することになります。
△△△.□□□の部分は同じなのですが、googleなどの検索サービスでは独自ドメインサイトとサブドメインサイトは別のサイトとみなすようです。
1-1-2-3. トップレベルドメイン
上記1〜4のうち「.□□□」の部分を指します。
通常独自ドメインを取得する場合には、△△△の部分と□□□の部分をセットで選びます。
インターネットが世の中に誕生した当初はトップレベルドメイン「.com」から始まり、「.info」「.org」「.net」と続き、そして昨今の数多くのトップレベルドメインを選択できるようになってきました。
従って、.comとセットでの独自ドメインを選ぶのは、先に登録している方が圧倒的に多いので飽和に近い状態になっています。
1-2. レジストラから借りる
レジストラというのは、ドメインを取得する対象機関になります。「レジストラからドメインを買う」と表現します。
どこのレジストラであっても、同じ手続きでドメインを買うことになりますが、大きな違いはこれから説明する取得料と管理料、そしてWhoIs情報代行の有無、それからレンタルサーバーとの連携のしやすさの4点しか違いがありません。
1-3. 毎年管理料が発生する
ドメインを買うためには、最初にお金を払うのですが、これは「年間管理料」の位置づけになり、1年毎にドメインを買った後も管理料を払い続けないとドメインを所有することができません。
その意味では、税金を払わないと不動産を差し押さえられてしまうのと一緒で、結局ドメインは買うのではなく「借りる」位置づけになります。
(人気のあるドメイン名はその後高く売れるので、ビジネス価値としては不動産のような性質をもっています)。
2. ドメインの取得・管理のこつ
2-1. ドメインの決め方
独自ドメインは1度取得した後は、その後ずっと使い続けることになります。
好きな文字を決めるのもいいですし、短すぎたりありきたりすぎると、既に取得されている場合が多く、長すぎると逆にお客様が(あまりケースとしては少ないですが)直接ドメインを入力して訪れる際に覚えにくいしタイプしにくいというデメリットがあります。
- 覚えやすい
- 短いのがいいが長すぎず
- 数種類の候補を考えておく
の3点ぐらいに絞って行うといいと思います。
2-2. トップレベルドメイン
取得したいドメインが決まったら、それとトップレベルドメインの組み合わせで取得できるかを調べます。
未だに人気なのは「.com」「.co.jp」「.jp」「.net」「.info」などですが、最近はアドレスが飽和してきていることもあって、例えばLINEの場合はline.meなどマイナーであったトップレベルドメインを使う大手も増えてきています。
いずれにせよ、一度決めたら変更をしない前提での運営で、更に早いものがちなので、いろいろ調べて考えて選ぶのが良いと思います。
2-3. 買い方は2種類
2-3-1. 空きドメインを買う
空きドメインというのは、まだ誰も取得していないドメインのことです。
通常はこの手段を使って購入し、こちらのほうが以下の保持業者から買うより圧倒的に安いです。
2-3-2. 保持業者、転売業者から買う
人気ドメインの価値をうまく利用して、売買する業者が存在します。
また、既に保有して使用している業者ではなく単に取得して使っている業者・個人から、直接取り引きで買う方法もあります。
いずれにせよ、通常はドメインがいらないとなると、登録が消えるのでその後は「空きドメイン」として購入できるわけですが、それを「保持したままの業者・個人」から買う時点で、転売的な形で高額になります。
余談ですが、facebook.comは既に取得していた業者がいたそうですが、何千万ドルという高額でfacebookが買い取っています。
2-4. レジストラの選び方
2-4-1. 取得料と管理料
独自ドメインは取得・維持するのに年間手数料がかかります。
レジストラの多くは取得料が安い旨の広告ばかりしていますが、重要なのは年間管理料です。
取得料と管理料の金額が同一ではないことが多々あります。
人気のあるものであれば、どちらもそれなりの金額でしょうし、その時の取得金額に対して、自身で展開する事業の将来的な規模などで照らし合わせて、決断頂ければと思います。
2-4-2. WhoIs情報代行表示の有無
独自ドメインを取得すると、Whois情報というところに、登録者の情報(名前、住所、連絡先など)が公開されます。
インターネット上の住所と同じく、所有者の情報も誰でも閲覧できる状態になります。
購入者によってはそれを避けたい方もいると思いますので、レジストラの中にはレジストラの情報をwhois情報に代わりに代行表示してくれるところがあります。
GMOペパポが提供するムームードメインなどは典型で、安くwhois情報の登録代行も可能です。
2-4-3. レンタルサーバーとの連携のしやすさ
独自ドメインを取得しただけではホームページを見れる状態にはなりません。
独自ドメインは住所の登録、ホームページはその上に立つ事務所や建物などの位置づけです。ECサイト運営でも、公式サイト公開でも、ブログ運営でも、ホームページとして実際に見れるようにするためには、レンタルサーバーの契約が別途必要になります。
レジストラの多くはレジストラとしての役目以外にも、レンタルサーバーサービスを同時で行っているところがほとんどで、レンタルサーバーの維持費なども考慮すると、同じ業者同士ならばそうでない場合に比べて比較的安価で、しかも設定がしやすい場合が多いので、レジストラを選ぶ際は、合わせてレンタルサーバーサービスの料金もセットで見るといいでしょう。
詳しくは別の機会に書きますが、ECサイト運営やブログを運営するにあたって最低限重要な機能はphp、aspなどが利用可能な上で、MySql,PostgreSQl,SQL Serverなどの「データベース」が使えることが大前提です。
上記ムームードメインと同じ会社のレンタルサーバーとして、ロリポップとヘテムルがあります。
2-5. 取得時に必要な情報
独自ドメインを取得する際に必要な情報は、
- 所在地
- 担当者名(取得者個人名)
- 電話番号
- メールアドレス
になります。
3. ECサイトとドメイン
3-1. モールで出店してからのほうがよろしい
これはECサイト運営をする際の、お店のブランドの浸透力、資本力の程度次第になりますが、0からブランディング、販売をするようであれば、自社ECサイトよりも、モール出店をおすすめします。
モールの場合、出店・出品して最低限の準備が整って、在庫をあげて、広告を出した時点で、そのモールの「はじめから購入が目的の利用者」が訪れてくれることになります。
しかし、自社ECサイトの場合は、google広告やSNS広告を利用して広告を打つにしても、訪れた人が「買い物自体が目的でない」場合の人も含むので、ある程度ブランディングをしてから公開するほうが、経費が抑えられると思います。
また、自社ECサイトの開業準備をするにしても、モールに比べるとEC機能自体の導入だけでも少なくない費用がかかりますし、お金をかけないとしてもモールよりも余計に時間を要します。
自社サイト構築に費やす時間よりも、モールで展開する時間のほうがかからないためです。
3-2. 一度決めたら乗り換えができないという意識で
ECサイトを運営するにあたっては、一度ドメインを取得するとその後も使い続けることになり、そしてECサイト運営では商品のアイテム数分のページ数が生成され、そして設定したカテゴリーページ、特集ページ、昨今のオウンドメディアなどのブログ機能など、かなり複雑なサイト構成になる上、大量のページを生成することになります。
この意味では、ドメインの乗り換えというのは可能な限り避けるべきなので、ドメインとサーバー選びは十分に考慮しましょう。
3-3. 早いものがち
そうはいっても、独自ドメインの取得は早いものがちで、運良くほしい独自ドメインが空きドメインのままという場合には、先に取得しておきたいもの。。。
そういう場合は、ドメインだけ先に取得してしまっていいと思います。
もちろん運用は後で行う場合もあると思いますが、早いものがちの性質上「先に抑える目的」で購入する人もかなり多いです。
わかりやすいのが、取得しようとしたら先に取得されているようだけど、実際にそのホームページにアクセスしてみると、存在しないか見れないとなっている場合です。