ECサイト(ネットショップ)運営の送料無料の判断の仕方

本記事のテーマ

ECサイト(ネットショップ)運営の送料無料の判断の仕方

本記事で得られる知識

よくある送料パターンの紹介に加えて、それぞれのメリット・デメリットについて考察した記事を読むことができます。

記事の前提

本記事はB2B並びにB2Cのネットショップ運営を前提とした送料設定に関する記事です。

1. 出店者としての送料の捉え方

1-1. よくある送料の設定パターンとは

よくある送料設定のパターンは以下のとおりです。

1-1-1. エリア別送料

都道府県ごとは、関東・関西などの区域ごとに、異なる送料金額を設定することです。

どの運送会社でも、発送元の都道府県を基準に、近い都道府県なら比較的安く、遠い都道府県なら高くという金額設定になっています。

なので、運送会社の料金体系をほぼ当てはめる形で設定するので、

1-1-2. 送料一律

規定サイズ内の場合に全国一律料金の運送会社のサービスを利用できる商品で設定されていることが多いのが、一律で設定されているバターンです。

全国一律250円など、運送会社でいうと大和ならネコポス、佐川なら飛脚メール便、日本郵便の場合はレターパック、レターパックプラス、ゆうパケットなどいくつか種類があります。

1-1-3. 一定医療購入で無料

通常は送料がかかるようにしていて、一定金額以上の注文を一度にもらうと送料が無料になるように設定することです。

まとめ買いを狙う場合によく使われます。

1-1-4. 発送手段別の送料

複数の運送会社で発送できる状況を作り、注文の際にお客様のほうで選択できるようにすることで、届くのが比較的早いけどそのかわり少し割高の送料で選ぶか、届くのが遅いけど割安金額でいいという、お客様ごとのニーズに合わせた選択をすることができる意味で設定しています。

1-1-5. 一律無料

一律に送料設定を0にしてしまう方法です。

実際に発送する際に送料は運送会社に払っていますが、利益率が高い場合や高額な商品の場合にお、意図的に送料無料表記を使うことによって、全国隔たりなく販売している形を見せることができます。

とはいっても、標準や大型の商品の場合は、遠い都道府県ほど1個あたりの利益は違い都道府県の場合に比べ低くなります。

2. 送料に対する考え方

2-1. 支払い送料をどこに組み入れるか

送料設定で重要なのは、「受取送料」と「販売価格」と「支払送料」のバランスをどこにおくかという点です。

受取送料は設定した上で、注文時に上記のパターンでお客様からいただく送料金額でありこれは売上と同じです。

支払送料は実際に商品を発送するにあたって、お店側が運送会社に支払う金額です。

全国一律設定の場合以外では、受取送料と支払送料の金額が完全に一致することはあまりありません。

理由は、運送会社への支払送料というのは、全国一律のもの以外に一般のものについていうと、お届け先が同じ場所であっても、3辺サイズと重さによって料金が変わりますから、支払い送料が一定していても、便宜上受取送料はサイズ・重さについては一律同じ料金の設定が大半だからです。

計算もややこしいですし、お客様がお買い求めしやすい状況を考えると、どうしても受取送料は簡易な設定にします。

例えば、商品代金1000円、受取送料500円、支払い送料600円の場合は、送料だけでいうと100円多く支払う必要があり、この100円は商品代金で回収することになりますので、商品は実質900円で売ったようなものです。

ネットショップ運営で一番送料金額が高い条件は何かというと、1個で売れた時です。

利益計算するためには、この1個単位で売れた時の、販売金額と受取金額から、商品原価と支払送料を引いた額で利益を計算する必要があります。

2-2. 送料無料表記の重要性

モールに出店していると、モール側担当者の多くが「お客様は送料無料設定とそうでない店舗がある場合、送料無料を選ぶ」とアドバイスすることが圧倒的です。

これは全てそれぞれのモール側での統計から導き出されている意見のため、商品代金1000円、受取送料500円表記よりも、商品代金1500円、送料無料表記のほうが売れる傾向がありました。

しかし、送料無料であっても、商品発送時には運送会社に送料は支払っていることになるので、ユーザーが買いやすいからといって僧侶無料を増やすのは安易な発想といえます。

以下で話す、送料パターンごとの特徴を抑えた上で、自社の商品について送料の設定方法を定めるといいでしょう。

2-3. 戦略によって価格へ一部転嫁する

受取送料と支払送料の金額が一致することが稀なのであれば、一部の送料をどこに転嫁させるのかを、戦略的に設定する必要がでてきます。

A商品は利益率が高いから、訴求力をあげるために支払送料額の一部を価格に転嫁しようとか、B商品は大型であまりでないけど高額商品だから支払送料全額価格に転嫁して無料表記にしようとか、商品ごとに様々なです。

2-4. 安い運送会社を選ぶのは長期的には損

よく、Aという運送会社を利用していたけど、全国で値上げがきまってB社のほうが安いから、B社に切り替えた。というのがよく聞く話です。

ところが、ここ最近は中長期的に見ると、その戦略が経費削減としての意味をなさないことが多くなってきています。

理由は、運送会社というのは新規参入が難しく、大手で固定されている上にインフラ的な要素が強いので、どこかが値上げすれば他も追随して値上げする傾向があるからです。

値上げをするのがどの運送会社も同じ。しかも、あなたの会社だけ値上げするわけではありません。どこかの運送会社が値上げするというのは、全国的に実施する内容なので、あなたの競合会社も同じく送料負担が増えます。

とするならば、運送会社の値上げによる利益圧迫の打開策は、運送会社を乗り換えることではないということは明らかだと思います。

また、取り扱い量が多いからといって、単価が安くなる時代も終わってきているので、送料値上げの大安は、運送会社以外で対応する策を講じるべきなのです。

3. 設定パターン別にメリット・デメリット

3-1. エリア別送料

エリア別は全国一律ではなく都道府県別・サイズ別の料金体系で出荷する商品に対して適用するべき設定となります。また、非常に割高になりがちが冷蔵品・冷凍品にも向いてます。

3-1-1. 運送会社の価格改定に対応しやすい

エリア別送料は、契約している運送会社の料金体系にほぼほぼ合わせて設定していることが多いです。従って、値上げや値下げに対して増加分をそのまま送料に加えるだけで、改定に対しての価格変更処理が終わるので、時間をかえずに対応できるというメリットがあります。

3-1-2. まとめ買いになりやすい

先に述べたとおり、経費が高いのは1個の注文が入った時であり、これはお店側からすれば一番利益率が低く、お客様の視点で見ると最も割高です。

ですので、送料を相対的に抑えようと、2個以上や複数アイテムで購入される機会が一律送料や完全無料設定より多くなります。

3-1-3. 取り扱い商品の多くが取り寄せの場合は注文残が増えがち

個単位よりもまとめ買いが多い傾向がある送料設定のため、取り寄せ商品比率が高いお店の場合には、一部は在庫があり一部は取り寄せという具合に、直ちに出荷できない意味で、受注レベルと請求レベルでの売上内容に差が現れることが大きいです。これは、管理の意味では非常に面倒というデメリットがあります。

3-1-4. 通り都道府県ほど注文が少なくなる

通りお店は届くのに時間がかかる上に高いので、競合品の場合にユーザー近辺のお店にお客様をとられてしまう機会が多くなります。この場合は、北海道での出店者や九州沖縄の出店者は、この送料設定だとネットショップ自体に不向きであるといえます。

特にこの影響が大きいのが、冷蔵品・冷凍品の食品を扱う場合です。冷蔵や冷凍品の場合は一番近いところでの発送でも特別料金が追加で取られるので800円、900円と高くなってしまいます。

よほどの購入食材なら別ですが、昨今はトレンド的に割高な商品の場合は訳あり商品として安いもののほうが売れる傾向があるため、よほどのブランディングができていない場合には、冷蔵・冷凍品は不向きといえるでしょう。

3-2. 送料均等負担

3-2-1. 赤字チェックは最大遠隔地基準になりがち

前項一律でもない支払い送料の場合において、送料同一負担の場合一番遠隔地への発送が最も高い送料となりますので、価格設定の基準となるのは遠隔地での送料を基準に計算します。

間違っても一番発送エリアが多いなどで、安いところを基準に販売価格を算出すると、遠隔地での出荷では赤字になります。

3-2-2. 遠隔地のお客様からの注文比率が他の送料設定より多い

全国一律で同額の送料設定なので、遠隔地のお客様から見たら割安感を演出できますので、他の送料設定よりは若干注文比率が増える傾向にあります。

3-2-3. 送料経費は月額総額で把握しがち

送料無料の場合や、発送手段別の送料と同じく、発送先の都道府県によって送料額が異なるので、手間の観点から月の総額で計算しがちになります。

利益率の高い商品が売れなくなると後手後手で圧迫している要因を調べることになるので、先手の戦略になりにくい傾向があります。

3-3. 一定以上購入で無料

1回の注文金額での利益額が設定している送料を上回る場合に、設定するべき設定となります。

ある程度全国的に無料の金額をあわせることで、遠くのお客様がまとめ買いしようとする意識を向上することができます。

3-3-1. 送料を無料にしようとするため購入金額が高くなる傾向がある

無料になる金額に近い額の商品を購入されるお客様の多くがせっかくなら無料にしようと思う分、多くの商品を購入しようとする傾向がありますので、売上額アップに繋げる訴求効果があります。

3-3-2. コンパクトな商品ほど利益率が上がる

サイズの小さい商品の場合で一定以上を購入するとなっても、ある程度サイズを抑えられるので利益率があがることになります。

これは逆の言い方をすると、大型の商品の場合には逆に利益率が下がるということになるので、サイズの小さいものには向いている送料体型となります。

3-4. 発送手段別の送料

3-4-1. お客様のニーズによってお客様が選ぶ

お届けが早いけど割だが、届くのが遅いけど割安という、値段か速さかにおいてお客様がニーズに合わせて選べるので、顧客満足度においての高評価を得やすい設定となります。

3-4-2. 同じ商品でも利益計算が異なる

商品が同じでも注文によって送料が異なることになるので、個単位での利益計算に不向きです。

この場合は、月額の送料総額で計算して、前月比や前年同月比での送料比較を行うことになります。

この場合、計算自体を楽にしようとするので、正確にどの商品がサイズ的に利益率が高く、そして低いのかがわかりにくいなります。

利益率の高い売れ筋の売れ行きが悪くなった途端に、後手的に支払い送料比率が高くなったことが判明するので、対策が後手に回りやすいです。

3-4-3. 運送会社ごとの受注処理を分ける必要が出てくる

同じ商品なのに、運送会社が違ったりするので、同じ商品で構成される注文内容が複数生じても、早い集荷の運送会社での注文の出荷が優先されてしまい、注文時間の順番での発送に公平性が保てなくなります。

必然的に、集荷の遅い運送会社分の注文が欠品判明しやすいという偏りを生むことになります。

また、この場合は利益率が高い運送会社の集荷が早いとは限らないので、バックヤード業務の最適化がされていないアナログ状態での運営となると、利益率が集荷時間に左右されるという、不本意な状況になる可能性があります。

3-5. 一律無料

見た目は送料無料ですが、結局は出荷時に送料を支払っていて、その送料分を価格に転嫁する形になります。

送料無料設定は、全国一律送料設定で出荷でき、平均的な補償金額上限である約3000円以下程度の商品に対して向いている送料設定です。

また、家電や家具などの大型で1商品出荷で1個分の送料、2商品出荷で2個分の送料というぐあいに、商品個数と発送時の個口数が比例する商品に向いています。

3-5-1. 1度の注文数量が多いほど利益率が上がる

送料無料設定は、基本的に受取送料を0にしているだけで支払い送料は通常どおり運送会社に支払います。

例えば、1000円の商品で送料無料、原価200円に支払い送料が500円の場合は、単純に個あたりの粗利が300円になります。

しかし、同じ条件で2個売れた場合、2000円の商品で送料無料、原価は400円で送料は500円のままなので、個あたりの粗利は1100円と跳ね上がります。

利益率が一番低いのが1個注文で、2個以上の場合に利益率があがることになります。

3-5-2. 1個注文が増える

見た目は送料無料表記なので、価格設定によってはお客様視点で見えると「1個でもこんなに安い」と感じたり「とりあえず1個で送料無料なら」と1個注文が増える傾向にあります。

2個以上や複数種類での購入のほうが利益率は高いのですが、1個でも送料無料という響きのせいか、利益率の低い1個注文が増える傾向にあります。

3-5-3. 運送会社料金改定時の価格変更の負担が大きい

支払い送料が前項一律ではなく、都道府県別・サイズ別設定になっている場合で、送料無料設定にしている場合は料金改定とともに、価格に増減分を調整する手間が増えます。

送料一律設定の場合は送料をいじるだけで済みましたが、送料無料の場合には支払い送料全て価格に転嫁しているので、販売価格自体を見直さなければいけないので、価格改定時の販売価格変更が非常に大変です。

4. 送料代を抑えるこつ

4-1. 商品の発送サイズを把握せよ

送料金額を抑える大前提は、まず商品一つひとつのパッケージの3辺サイズと重さをデータに残すことにあります。

送料を月の総額で見る管理の仕方をしているところの多くは、ここを怠りがちです。

送料金額というのは、発送時のサイズと重さで決まるのがわかっているのに、3辺サイズと重さがわからないものがあるというのは、正直いって本当に経営する気があるのかと疑ってしますほど、送料計算の元になります。

何十万アイテムを取り扱っていようが関係なく、3辺サイズと重さは必ずデータに入れ込むようにしましょう。

4-2. ダンボールは数種類で固定する

中小企業ならばしょうがないところもありますが、ダンボールは数種類に固定するべきです。

一番割安のサイズも簡単にわかりますから、あとはそれに会うようなダンボールや封筒を容易すればいいだけです。

ダンボールをキチンと決めたサイズのものに限定することで、先に示した3辺サイズと重量を元に、何個までどのダンボール、何個以上何個未満は次のこのダンボールと、発送時の封筒やダンボールに合わせた原価計算を、データで管理できるようになります。

よく、スーパーにおいてあるようなどこかの他社の使い捨てのダンボールを使うところもありますが、これは顧客満足度も下がりますし、「ダンボールを加工する人件費」が結局上乗せしているので、経費削減にもなっていません。

5. 今後の送料設定に対するニーズ

今でも送料設定が無料のほうがお客様に購入されやすいと言われていますが、今後はこれは通用しなくなると思います。

理由は非常に単純で、例えば販売価格1500円送料無料と、販売価格1000円と僧侶う500円を比べた時に、どちらも一緒だよね?と思う人が増えているからです。

昨今は、ステマやインフルエンサーマーケティング、はたまたやらせの典型な大手メディアの影響もあり、「見かけ騙し」的なものが全く通用しなくなってきているわけです。

本来の「価格はいくらで送料はいくら」と提示しているお店のほうが、「正直」というふうに見るお客様が増えてくるであると思います。

筆者としては、今後の送料設定としては、超大型の商品のように1個注文で1個口、2個注文で2個口や、全国一律送料のお店の送料無料設定以外については、辺に「送料無料」の強調はいらない時代になってくると思います。