
本記事のテーマ
ECサイト(ネットショップ)の作り方【立ち上げ、導入】
本記事で得られる知識
この記事では、ECサイトを運営したい初心者向けに、ECサイト運営に必要な業務内容を細かく分類して解説していきます。
記事の前提
本記事は B2CのECサイト運営を前提とした記事です。
また、「簡単にする」という目的を叶えるための方法を書いていきますが、本来は手間をかけるほうが圧倒的に効果はあります。その時の用途に応じてこちらの知識を利用して頂ければと思います。
1.ネットショップ(ECサイト)をより簡単にするには
ネットショップの出店・運営を簡単にするためのオプションを解説していきます。完全初心者の方でもそもそもの業務量の多さと、それに対しての最適化へのアプローチのヒントになると思います。
1-1. そもそもは準備すること・維持することは大変
そもそもの話になりますが、ECサイト運営は非常に手間と時間と労力がかかり、はっきりいって大変です。
画像撮影スキル、ページ編集スキル、web上の分析(analyticsなど)、管理画面の操作の可否など、なにか1,2つでもこなせないのに、ネットショップを運営するとなれば、そもそも「何をもって簡単にするのか」から考えていく必要があります。
簡単にするといっても、何を簡単にすればいいのかがわかっていないと、簡単になる前の状態と後の状態の比較ができないことになります。
こちらのページで、B2Cを前提としたECサイト運営の業務をざっくりですが業務別に概要を説明した記事を書いていますので、ぜひとも参考にしてもらうとよりイメージが湧きやすいと思います。
ネットショップ開業したい初心者のための業務の基礎知識2019年度版
1-1-1. 売上が簡単にあがる方法はない
このページで紹介するのは、やりたい・やりたくない関係なしに、毎日やらないといけない業務をどれだけ効率化していくかという視点で書いています。
「簡単に売上があがる方法」を提供するわけではありませんので、それを期待して訪れた方の目的には沿いません。
ECサイト運営に限らず言うならば「楽してお金を儲ける方法は人から何かを詐取する以外ない」と筆者の経験上思いますので、そこは根本的に考え方を改めたほうがいいかと思います。
1-1-2. 省略できない業務が多い
ECサイト運営では、「やりたいこと・やりたくないこと」の観点で業務を行うと確実に長続きしないビジネスモデルです。
電話、メール対応はお客様と直接やりとりをするお店の品質に関わる重要な業務ですが、進んで「やりたい」と思う人は少数だと思います。特定商取引法上は所在地などの連絡先情報は記載することになっていますので、営業時間内は法律的にも道徳的にも大切に対応するべき業務ですから、「したくないからしない」選択はできません。
経営者・運営者が数字ばかりみていると、意識が薄れがちですが出荷作業も同じです。
出荷作業というのは対外的な業務ではないので人によっては得意不得意はありますが、ECサイトを運営するにあたって率先してやりたいという人は顧客対応同様にさほど多くはないはずですが、ここも出荷が完了して出荷通知を送らないと、お客様に注文代金を請求できませんので、絶対に怠っては行けない、、、、というよりこれを怠るを売上が入ってきません。
そもそも、したいこととしなければいけないことのギャップが激しいECサイト運営において、簡単にするということは、やりたくないことにいかに時間を使わないか、もしくはコストのかかっている部分をいかに業務効率をあげて経費削減するかという2つの視点において「簡単にする」という意味であることを理解しましょう。
以後は、この2つの視点をもっての最適化のために簡単にする方法を紹介していきたいと思います。
1-2. モールを利用する
- 自社サイトに比べて比較的に集客手段が容易
- 管理画面の構築の必要がない
- 決済システムが用意されている
- ほとんどの訪問者が購買が目的
- データ解析機能がついているところが多い
- 他店に埋もれやすい
- モールによっては出店手数料がかかる
- ポイント負担が前提のモールがある
- 2箇所以上のモール媒体で展開する場合に管理画面操作が複雑
自社サイトかモールサイトの大きな違いは、web全体を視野に集客するか、そもそも購買者がほぼ100%の場所で売るかの違いになります。
自社サイト運営の場合、サイトを訪れてもらうためにはSNS以外の方法では、googleの検索結果で上位表示させる必要がありますが、「買う前提のユーザー」だけ上位表示は不可能です。それに対して例えば楽天の場合、楽天内検索から訪れるユーザーはほぼ100%購入が目的です。
これだけでも、モール上での集客の効果がいかに高いかが想像つくと思います。
また、クレジットカード系の決済システムが既に用意されている点も開店準備時の手間が1つ減ることになりますし、データ解析も容易です。
但し、デメリットとしては、他社との競争に勝つためには、結局モール内の広告にお金を掛ける必要がありますし、専用のポイントを最低分負担する必要があったりすることや、今や当たり前となった複数モールでの出店となったときに、共通の管理画面ではなく別々の管理画面で管理をすることに対する手間がかかってきます。
1-3. 代行サービスを利用する
ECサイトは経営・運営、フロント業務、バックヤード(バックエンド)業務の3種類に大別できます。
ECサイト運営は既に何十万社と存在していますので、ECサイト運営のフロント業務を丸投げできる代行会社、バックヤード業務を丸投げできる大黒業者が存在しています。
1-3-1. EC運営代行(= フロント業務代行)
「EC運営代行」という表現が一般的ですが、これはフロント業務をほぼ全て請け負ってくれる会社です。
- ページデザインなどの質が圧倒的に高い
- 人件費に比べると圧倒的に安い
- 委託会社側の業務量によって依頼内容のデッドラインが先になる可能性がある
- 決して高くないのである程度の売上実績が必要
画像撮影、商品出品、商品ページ作成、特集ページ作成、ページデザイン、ページデザイン・コーディングなどフロント業務全般を担ってくれますので、月30万円以上などと金額は高額なイメージですが、代行会社というだけあるので非常に高いクオリティを前提に運営してくれます。
データ分析も合わせて行ってくれ、レポートのよる報告なども兼ねていますので、月何十万とはいえコスパは非常にいいのです。
ある程度の資金力と売る対象の商品が用意できているなど、戦略が整っているところが委託する形になると思います。
代行会社側も複数のECサイト運営を委託されているので、業務別に専門家がいることがほとんどです。ページデザインの専門家、フロントエンド・バックエンドのコーダーなど業務の細分化により業務を代行してくれますので、html,css,java script, バックエンドコーダー、アクセス解析、ページデザインなどのスキルをもった人を自社で雇うよりも、クウォリティはかなり高いでしょう。
但し、デメリットとしては代行会社も複数の業務を担っているため、対応力のスピードは抱えている作業量次第になるので、早めに戦略をと委託をする必要があります。
1-3-2. 発送代行
- 受注処理、出荷処理、商品の保管の委託なので手間がかからない
- 急な受注でも対応してくれるので出荷遅延が起こりにくい
- 自社保管スペースの縮小が可能
- ちょこちょこ費用改定がある
- 委託料計算が大変
- 委託時の手間と送料を加味しないといけない
- 長期保管在庫に対する社内の返送ルールが必要
- 大型商品は預けられない
- 小型商品は割高なりやすい
アマゾンのFBAを代表として、一般的になってきているバックヤード業務の委託となります。バックヤード業務は売上の規模が拡大してくると、運営者・経営者のバックヤード業務に対する重要性への認識と、バックヤード業務の管理者の力量にかかってきます。
ECサイトの見た目は素晴らしく使い勝手がいいのに、裏側の出荷体制がアナログ中のアナログなんてところはざらにあります。
2つのいずれかがかけるだけで、中規模の売上になってきたときの、バックヤード業務への人件費は売上の上昇率を上回ることになりますので、それらを代行してくれるのは大きな業務効率になります。
倉庫に商品を預ける形で商品を出荷してもらうため、商品1個あたり1日単位で保管料がかかってきますので、管理が大変です。
1-3-3. コールセンター委託
電話・メール対応をコールセンター委託するのも、運営を楽にする方法の一つです。
- 自社内スタッフのキャパに関係なく対応してくれる
- 人に依存した対応ではなく一定の水準を保ってくれる
- クレームなどのストレスを感じることはない
- お客様との接点となる唯一の窓口の声が聞きにくい
- コストがかかる
- 対応用のマニュアルが必要
- 対応マニュアルの最新性の維持も必要
- 自動音声を嫌うユーザーが少なくない
コールセンター委託については、基本的には自社のマニュアルに沿っての運用を行ってくれます。
メディアで取り上げられたり、トラブル対策など、自社内スタッフのキャパを超えた段階で、それ以外のスタッフが対応しなければいけないという、キャパの問題を解消してくれるので、自社内スタッフの受身的な対応量を大幅に緩和しくれます。
何よりも、クレームなどがあった場合のストレスがかかりません。
しかし、誰もが率先してやりたくない部分の業務であるため、これを委託する場合はコストが割高です。
1日に何十件も電話がかかってくるレベルの大きな売上をあげれるようになってからの委託が望ましいです。
また、電話・メールはEC運営にとっては唯一お客様と触れることができる窓口になりますので、その意味ではお客様の声を聞きにくくなる点もデメリットかと思います。
2. ツールやノウハウなどを使って自社内の業務の効率化を図るには
ここまでは委託について書きましたが、ここからは自社内での業務を前提として、各業務の効率化を助けてくれるツールを紹介したいと思います。
2-1. 集客やプロモーションを簡単にする
モール内:担当に聞いて手間のかからないプロモーションを紹介してもらう。
モールに出店すると必ず出店者向け窓口が存在しますので、準備の手間がかからないプロモーションを聞くのが一番はやいと思います。
手間がかからない分掲載のキャパが決まっている場合がありますから、できるだけ早い段階で聞き出すのがいいでしょう。
但し、本来なら密に連絡をとって有料広告を申し込んでくれるお店のほうが優遇してくれる機会が多いので、その手間なしに最良のものというのは厳しいかもしれません。
自社サイトの場合
一番効率がいいのは、facebook広告やインスタ広告といったSNS系のアプローチです。
ターゲットを明確に絞ることができますので、他の広告よりも抜群に威力を発揮します。
2-2. 商品開拓を簡単にする
EC以外を含めてどこの会社も「何が売れるか」「どううるか」で四苦八苦しているので、簡単にすることは容易ではないです。
各モールの売れ筋ランキングを見た上で、売れている要因を出しそれにあった商品をB2Bサイトなどから仕入れるのも手です。
最近では越境EC系のB2Bも数多く存在しています。アリババやタオバオなどでも、国が国ですが日本の技術に近いものを提供しているところも少なくありません。
2-3. 商品の仕入れを簡単にする
一番簡単なのは国内であればB2B系であれば通常の商品購入と同じ要領で商品が届きますので容易です。
2-4. 画像撮影を簡単にする
画像撮影で求められるのは、シチュエーションを想像できる環境での撮影です。
サムネイル用の背景白枠での撮影については、今やiPhoneXの撮影機能でプロ並みの写真を取ることができます。
それ以外のページ編集用といったブランディング用の場合は、撮影が得意な方がいればお願いするほうがいいですが、苦手な方は1件いくらという撮影会社が多数存在していますので、こちらを利用するほうが圧倒的にコスパがいいです。
2-5. 在庫更新・受注処理・顧客管理を簡単にする(一元化する)
自社倉庫前提でのバックヤード業務を最適化する上で近年画一されたのが、「統一の管理画面での在庫更新、受注管理、顧客管理」の一元化サービスです。
複数モールで展開する場合には、圧倒的にコスパがいいです。
サービスによってことなりますが、注文ごとの手数料や、設定アイテム数による在庫更新頻度と料金、月額料金がかかるなどバラバラですが、今の時代複数モール出店は当たり前ですので、2つ以上のモール媒体で販売を始める場合には、早々に導入することをおすすめします。
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